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2022.02.11

優秀賞が決定しました

令和3年度の卒業・修了研究展の優秀賞が決定しました。

【プロダクトデザイン学科】
 大重 亘輝 (齋藤 研究室)
 石原 愛未 (鈴木 研究室)
 松永 晋弥(金石 研究室)、 宮田 能吾(菊池 研究室) 

【視覚デザイン学科】
 岩澤 海里 (ビューラ 研究室)
 中田 有香、樋田幸子 (ビューラ 研究室)
 塩原 菜々枝 (吉川 研究室)
 花岡 凜 (吉川 研究室)
 前田 信輝 (御法川 研究室)
 前田 真弥 (山田 研究室)
 宮坂 和葵 (山本 研究室)
 宮村 温子 (山本 研究室)
 山畑 月乃 (山本 研究室)
 牧内 奈美 (真壁 研究室)
 小島 実奈 (徳久 研究室)
 鈴木 音羽 (徳久 研究室)

【美術・工芸学科】
 大嶋 周二朗 (遠藤 研究室)
 渡部 佳乃 (遠藤 研究室)
 高橋 美月 (藪内 研究室)
 市川 詩乃 (中村 研究室)

【建築・環境デザイン学科】
 高垣 未来 (平山 研究室)
 後藤 采納 (福本 研究室)
 川上 夢叶 (山下 研究室)
 東海林 和代 (小川 研究室)

【大学院修士課程 造形研究科】
 飯塚 純 (松本 研究室)
 軍司 円 (板垣 研究室)
 坂井 友美 (岡谷 研究室)
 知久 悠葵 (中村 研究室)
 堀川 強 (福本 研究室)


 

各学科の優秀賞の紹介

【プロダクトデザイン学科】

受賞者 作品名 選考理由
大重 亘輝 家族で楽しむ低速モビリティの研究 親子が一緒に楽しく乗ることをテーマに、コンセプトやデザイン・仕様にいたるまで一貫性のある提案となっており、そのスタイリングからも親子で楽しむ微笑ましい情景が浮かんでくる。二輪車に必要な部品デザインやディテール処理にも配慮があり、それを実際に走行可能なモデルで成し遂げていることが高く評価できる。
(齋藤)
石原 愛未 恐怖と美しさの二面性をテーマに、型を用いない色むらや色混ざりの技法研究 展示された海の生物5作品は、冴えた色を含む重厚感ある染色がテーマである恐怖と美しさに良く合っている。全体の調和を目指した配色において何度もトライアンドエラーを重ねた調色の成果がその美しい配色に表れている。また筒描きで加えられた金彩・銀彩表現や素材選択もとても巧妙で、テクスチャーの違いがそれぞれの生物の表情をいっそう引き立てている。そして生物の型紙は独自で考案したことも加え総合的に評価できる作品である。
(鈴木)
松永 晋弥
宮田 能吾
無骨さに宿る魅力 を現代に生きる様々な人物像で表現し、リアルクローズの販売を見据えたブランディングの提案 3年のときから作り始めたブランドを更にコレクションとしてブラッシュアップさせた研究は、写真家からインスパイヤーを受けたものの見事に時代を超えたクラシックなスタイルと、新しい素材作りでオリジナリティーを両立させている。カラーの考え方、年月が経ったように見えるエイジング、新しいシルエット感が、リアルクローズな衣服の中にも存在感がある作品に仕上がっており、パッケージ、タグまでもがクリエイションされている。
(金石)

 

【視覚デザイン学科】

受賞者 作品名 選考理由
岩澤 海里 3DCGアニメーションとストップモーションの関係性について 岩澤さんは最新の3D技術を利用して、子供の視点から語られた優しい暖かいストーリーをパワーフル演出しました。特に細かいディテールまでデザインした柔らかいキャラクターが印象的です。ライティングとカメラアングル、オーディオと編集の力で主人公の感情、ストーリーが最も上手くデザインされた作品です。3Dアニメーションとストップモーションの2つのアニメーション技術を深く研究し、それぞれの世界の魅力を元にした非常に完成度の高い作品を制作しました。
(ビューラ)
中田 有香
樋田 幸子
アニメーションによる心像描写の研究 劣等感と言うテーマで制作した2Dアニメーション。目の覚めるような強い視覚で主人公の心理的な条件が描かれています。3D技術も利用して細かいカメラワークを演出でき、異なった色合いや線の表現でユニークなアニメーションが誕生しました。中田有香 と樋田幸子はグループで上手く研究と制作の役割分担をしながら最後まで協働しチームワークの力で素晴らしい作品を制作することができました。
(ビューラ)
塩原 菜々枝 伝統的な上毛かるたを再構築し、新たな価値を見出すグラフィック表現 塩原の生まれ故郷に対する強い想いと熱意が、44枚のポスターという形で可視化された大作シリーズ。この郷土かるたへの敬意を忘れず、次世代への文化継承と時代性を意識しデザインを再構築したことで、表現の精度が高くなりコミュニケーションツールとしての活用の幅が拡がったといえる。元々あるものの再構築とはいえ、情報や問題を整理し44種類のビジュアルを根気よく完成させたことを評価したい。ポスターというメディアを選択した意味と目的を明確にすることで、さらに魅力が増し骨太なデザインとなったと言えるだろう。
(吉川)
花岡 凜 看板における親しみやすいタイポグラフィ表現の研究 花岡のライフワークとして蓄積された看板文字の写真資料を中心とした調査・分析からデザインを検討し、文字の落とし込みを空間のデザインにまで拡げて研究した。街並みを模した展示は、これまでの看板職人たちの超普通なセンスを超える強さとが不足し、わざとらしさが鼻に付くところがあるものの、ロゴデザインにおける可読性の曖昧さが造形としての看板の存在を強調し、本来の意味や目的を失わせる面白さが出ているグラフィックアートの大作と言える。
(吉川)
前田 信輝 遊びと学びについての研究 前田は面白く学ぶためのゲームを制作した。これまでもゲームのデザインを行う学生はいたが、多くはキャラクターや背景のデザインを行うものであった。前田の場合、遊ぶとはどういうことかという問いから始まり、何を学ぶか、遊び方の設計、3Dモデルの作成、プログラム、コントローラーの設計とスタートからフィニッシュまでを一人で仕上げた。また学びの対象は、長岡の米菓子の製造過程という地域性の濃いものであった。
(御法川)
前田 真弥 生命が存在する確率と現存する地球の姿の写真表現 我々は前田 真弥の作品を通して、かけがえのない地球の普遍的な価値を再認識できると同時に、現代人に対する未来への警笛とが調和したメッセージとして受け止めることができる。言語を介さずやさしく我々のDNAに囁きかけるような永遠よりも長い一瞬を捉えようとする姿勢には作家の高い意識と強い使命感を感じられずにはいられない。おしつけのような表現を撤廃し、視聴者の意識に大きな気づきを創造させる取り組みとして捉えると、心地よい映像美へ陶酔できるこの作品は「地球を広告する」壮大な世界CMともいえるだろう。
(山田)
宮坂 和葵 地域ブランディングのためのVIデザインの研究 宮坂くんは、地方都市における少子高齢化、人口減少といった社会は池に対して持続可能な地域ブランディングという難易度の高い研究に挑んだ。長野県上田市の歴史的背景調査や現状分析を行い、上田市の強み・魅力をシンボルマークとして具体化した。オリジナルの英文フォント、地産・地消推進シンボルマークなども作成し、総合的な地域アイデンティティを緻密に取り組んだことが評価された。
(山本)
宮村 温子 うつりゆく四季と行事で江戸の12ヶ月を楽しむイラストレーション制作 宮村さんの作品は、江戸時代の四季折々の行事や暮らしを52枚のイラストで雑誌の表紙として表現した。アメリカの雑誌「THE NEW YORKER」をオマージュした「The Edoiter」という架空の雑誌である。江戸時代の暮らしを深く調査・観察し、それぞれに合ったさまざまな表現技法やアイデアあふれるイラストで書き上げたことが評価された。各行事の説明をのせたBOOKもわかりやすいデザインである。
(山本)
山畑 月乃 富山オリジナルチューリップのショップ提案 山畑さんの地元である富山県のチューリップ球根出荷量は国内最大である。コロナ禍で打撃を受けたチューリップ球根をデザインの力で地域活性化するブランディング研究に取り組んだ。チューリップについての詳細な調査や分析を行い、若い女性をターゲットとした美しく、シンプルでわかりやすいパッケージデザインの展開が高く評価された。
(山本)
牧内 奈美 普段の生活に遊び心を加える道具の提案 デザインは問題発見と問題解決の道具とも言われます。私たちの日常に有る問題は何でしょうか?この作品は私たちが出会った問題を斜めから取り上げ、斜めからの視点で解決しています。「それ本当に必要?それ便利なの?」と問いかけたくなる提案の数々。まさに生活様式を拡張し、ユーモアをもたらしてくれる作品です。
(真壁)
小島 実奈 お医者さんと保護者のコミュケーション密度を上げる研究 これまでの常識を疑い問いを立て現場を調査しアイデアを出す。そこからの提案で終わらず、検証~考察~調整し表現することを繰り返し、年間を通し時間をかけ実現させるに至りました。本当に有効な提案の為に楽しいだけじゃない作業をしっかり行った中身のいっぱい詰まった提案です。お医者さんと保護者に寄り添い考えられたこの優しい提案は、お医者さんと保護者だけでなく患者となるこどもからも高い評価を受け今日も利用されています。
(徳久)
鈴木 音羽 病気への理解と意思決定を助ける、コミュニケーション設計の研究 医者と患者とその家族のそれぞれの問題を一度に解決できる画期的な提案。問題を見過ごさず問題と捉え、その解決の為に自ら行動し周囲を巻き込み協力者を増やし、複雑でわかりにくい内容を自分のものとし、学生レベルではない密度の提案になった。またその姿勢には一切の妥協がない。この提案は今後のがん治療のあり方を変える社会的にも大きな意味のあるプロジェクトとして育つ可能性を持っている。卒業後も可能な限り協力していきたい。
(徳久)

【美術・工芸学科】

受賞者 作品名 選考理由
大嶋 周二朗 絵と人間の関係についての研究 研究テーマ「絵と人間の関係についての研究」は本学絵画分野において近年では他に比較がないほどの制作量に裏付けられ、絵画のいわゆる「意味の無意味」または「無意味の意味」という現代的な問題意識を体得するところまで深めることができている。特定の描画スタイルに執着せず、また予定調和的完成からも意図的に身を引こうとする判断は、画面のみならず展示空間への関与にまで踏み込み、制作研究として高いレベルに到達し得たと評価するものである。
(遠藤)
渡部 佳乃 (無意識の意識化による)“私”と共に生きていくための絵画表現 この絵画の研究はイメージを描出することで本人が言うところの「今を生きやすくするための行為」として成立させることが主題である。絵画表現ではいくら意識的に描画してもその画面には自ずと無意識的な質(画面のもろもろのディティールなど)を孕むというメディア的特性の中で、渡部は具象的なものや空間を連想的に再構成する。それは意図的でありながら全体としては不可思議な剰余のイメージを生み出す。研究はその即興的な展示方法などと併せて高いレベルに到達したとして評価する。
(遠藤)
高橋 美月 鍛金技法による工芸品を育てる暮らしの提案・制作研究 作品「育-はぐくみ―」は、鍛金の手絞り技法でひとつひとつ丁寧に制作され、出身地秋田の風景や秋田杉を材料に使いデザインされたものである。作者が制作した(育てた)料理器具を、使う人が使うことで育むという暮らしの中の工芸品の在り方を提案した。使う人その人の味わいを出していく工芸素材の特徴と暮らしという日常と地域に根差した研究作品として高く評価できる。
藪内
市川 詩乃 私とガラスとパンとしての発泡ガラスの研究 磨り潰したガラスの粉を焼き上げると大きく発泡することに気付いた事が彼女の研究のはじまりだったと思います。その小さな発見から緻密なサンプル制作や数多くの技法を獲得し、彼女の大好きなパンが、自ずから対峙するガラスのパンへと遷移する研究となったのです。技法と研究を往還しながら、今までに類を見ない新しい素材表現に結び着くまでに達したこの研究は今後の展開、発展に期待できるところでもあり高く評価し、優秀賞に値するものだと思います。
(中村)

【建築・環境デザイン学科】

受賞者 研究テーマ 選考理由
高垣 未来 鐘楼門についての研究 「鐘楼門」とは何か。  簡易ではあるが根本的な問に、これまで答えた研究は存在しなかった。日本中に「鐘楼門」が何棟あり、いつ頃から、何故、建築されたのか。受賞者はインターネットの検索で全国の「鐘楼門」をつぶさにあたり398基を見出した。先ず驚くべきはこれらがいずれも江戸時代以後の建築に関わり、「鐘楼門」は都市部から全国津々浦々へ広まったことが判明した。  元来、寺院には境内に鐘楼堂があり、修業する人々に時を知らせた。それが江戸時代になって何故、「鐘楼門」となるのか。理由を受賞者は檀家制度に求めた。この制度は戸籍管理を寺院に委ねるものであるが、檀家となった人々は寺の整備に関わった。ここで鐘は、寺院だけのものではなく地域の檀家にも共有された。つまり鐘が境内と地域の境となる門階上に吊され、鐘の音を境内と地域全体へ響き渡らせるため「鐘楼門」が生み出されたことになる。  形には歴史と意味のあることを証した論文である。
(平山)
後藤 采納 人の想いと記憶で創るまち -福島県双葉郡楢葉町を対象として- 本研究は東日本大震災発生より10年が経過した楢葉町を舞台に「人と人がつながる仕組みづくり」に没頭した実践研究である。 後藤の驚嘆すべき資質は楢葉町を知る契機となった活動後から通い続け、住民との関係を築きながら楢葉町に移住した行動力にある。後藤は移住者の視点から、楢葉町を離れた移住者が「楢葉の人」ではなく「離れた人」に認知される変容過程に問題点を見いだした。その解決に向けて「人の想いと記憶をかたちにする」コンセプトの模型や語りを通じて来訪者間のつながりが形成される場を実現した。 地域の話題はありふれているようで自己アイデンティティそのものである。人の想いや記憶が地図や模型上に可視化されることで共通の話題に変容し、来訪者間における小さな語りが生まれる。後藤はこの小さな語りによるつながりの積み重ねこそが地域のあたたかさをつくるものと結論づけた。 人口減少時代における地域づくりの在り方を示した論文である。
(福本)
川上 夢叶 「道の怪」 歴史ある道後温泉を核に 四国遍路と街の文化遺産を紡ぐ辻空間の再考 川上は、作っては壊し、作っては壊し、あげくの果てに、ここにある大きな最終プレゼン模型と軸組モデリングCGができてからも、「先生、もう一度デザインやり直したい」と言ってきた。「はあ?冗談だろう? これからまたCGや模型を新しく作り直すつもり?」、「はい」、「それでもまた、変えたくなるに決まってるからやめなよ」、「いや納得したい」。こんな学生、後にも先にもいない。建築家マインドとはそういうものだ。設計は、口先の作業ではない。設計し直しができる背景には、川上が、次から次へとデザインを産み出していく才能があるという事実がある。現に、研究室ゼミで、いつも同席していた大学院生は、「羨ましい…」とつぶやいた。次から次へとクールな建築が出てくることは才能であって、科目を履修したから獲得できるようなものではない。4年生なりたての頃の川上に「あなたが独立したら、私は坊主になる」と言った(らしい)が、そうなっちゃうかも。
(山下)
東海林 和代 おてんとさまの庭、ぼくらの里 -山形県山形市明治地区で展開する風情のキーワードと仕掛のパタン-  どこにでもあるような地域の環境は安易な都市化によって簡単に壊れてしまう危険性がある。東海林は、目に見えにくいが確かに存在する地域が大切にしてきたことを継承しながら将来計画を立てる手法はないだろうかと考えた。アンケートと地道な現地調査により、地域という布を丁寧に解きほぐした結果、7つのグループに分類される33の糸として「風情のキーワード」を導き出した。これらの糸をつむぐ手法として「仕掛けのパタン」を体系化した。「風情のキーワード」と「仕掛けのパタン」という二つのデザインコードの組み合わせにより「おてんとさまの庭計画」をケーススタディとして展開し、その有効性を検証した。マスタープランは時代の変化とともにすぐに風化してしまうが、このデザイン手法を使えば地域のあるべき姿を形成することができる。これは地域計画の優れた手法のひとつになるだろう。
(小川)

 

【大学院修士課程 造形研究科】

受賞者 研究テーマ 選考理由
飯塚 純 ドーナツの穴は被写体になるのか? -自らの実践知をとらえなおす作品制作実践について- 「ドーナツの穴は被写体になるのか?」というテーマは、一見不可視なモチーフを、どうやって可視化するかと言うチャレンジでもあった。それはアーティストとして、チャレンジし甲斐のあるテーマであり、その答えを出すプロセスは、単に技術的な問題だけでなく、「ドーナツの穴」をどう捉え、どう解釈し、どう表現するかを考えることでもあった。
今回の「DOUGHNUTHOLES」に至るまでに、「HOLE’sCOLOR」「HOLE」と制作しては考え、また制作をしてと言う、実際に手を動かし頭を動かしのサイクルを繰り返した。さらにアーティストにありがちな、一人で考えるにとどまらず、指導教員のみならず、他大学外の研究者と交流し、対話をし知見を得て、それをまた作品制作に織り込んでいくと言う実践を繰り返した。
そのプロセスをまとめた論文は、「生成」時代における、飯塚のアーティストとしての立ち位置や制作方法を述べたものである。また「ドーナツの穴は被写体になるのか?」に対して制作した作品は、その答えを美しく具現化したものであった。
修士研究の成果として、優秀賞に値する論文、作品であると考える
(松本)
軍司 円 若者の日本酒への興味関心を促すラベルやパッケージのデザイン要素に関する一考察 -長岡市に住む20〜30代の若者の日本酒に対する嗜好や趣向をもとにした混合分析から- 本稿は、長岡市に暮らす若者による日本酒の消費実態や嗜好、飲酒の動機、イメージについて、自身での現地調査と適切な分析手法によって精査されている。さらに、これらの調査結果を総合し、風味や体験、地域性、多様性などの日本酒に内容された要素をパッケージデザインに反映することで、日本酒への関心や購買意欲の向上につながると結論づけている。このように本稿は、入れ物である日本酒のパッケージのデザイン要素を位置づけ、日本酒の魅力を広めるツールとして活用しようとする新規性に富み、かつ問題解決へとつながる研究結果である。また、研究の成果をもとに、自ら企画・実施した「SAKE ZAKKA」や「日本酒Hack」では、日本酒に対して否定的な感情を抱いていた若者が上記の企画に参加することによって能動的に日本酒の「飲用」や「他者への講釈」を実施する肯定的な変容が導かれた等、イノベーションを構想・実現するための実践的手法の萌芽が見られた点は意義深く評価できる。さらに、発表者は国内の学会等において、研究発表3件、受賞1件の実績があり、研究成果の発信にも尽力してきた。
(渡邉)
坂井 友美 なぜ絵画を制作するのか -制作実践とその言語化からの考察- 坂井友美さんは、修士課程2年間の研究を通して、「なぜ絵画を制作するのか」という間うことも答えることも困難な間いに、制作と論文を通して挑んできました。小川洋子の『ことり』の叙述を絵画制作の探究の手がかりにしています。絵画制作という意味付与や言語化が困難な事象を、小説という言語芸術を介して理解しようとするオリジナリティ溢れる方法論による論文は高く評価することができます。また絵画制作は「絵画を制作するためになされる」トートロジカルな行為であるという論文での結論を得たうえで制作された絵画作品は、制作者の観念を具現化するというような画面から突き抜け、公募展などでも十分に評価され得る水準にまで達していると判断されます。作品が論文を具現化するものではなく、逆に論文も作品を説明するものではない、制作と論文とが相互に高め合う実技系大学院ならではの実践的な研究として高く評価されます。
(小松)
知久 悠葵 ガラスによる暮らしの「いとおしさ」の表現 ガラス素材の光の内包性を菫要視し、造形と素材との表現技法について研究した内容として高く評価できるものであります。既知の現代作家による人をモチーフにした造形作品では、主にエナメルによる彩色で肌感を表現するものが見られるが、知久さんの研究では光を内包するガラス表現特有の肌感にこだわり、ミル状ガラス技法による研究を追求し、特別研究としての一つの結果を出したといえます。表現したい暮らしの「いとおしさ」とガラスによる表現を、素材を深く理解することによって得られた知見は評価に値すると思われます。
また、見立て表現にも通じる造形表現として、人の造形と器を組み合わせたガラス造形作品としては、対外的な可能性を感じる作品であると思われます。
(岡谷)
堀川 強 地域愛着形成の促進方策に関する研究 -出身地に対する無関心・否定的な意見を含む居住選好過程に着目して- 修士研究に関し、以下のように4回学会発表を実施していることが高く評価できる。
• 2020年日本安全教育学会第21回静岡大会
• 2020年日本環境教育学会第31回年次大会
• 2019年日本安全教育学会第20回山形大会にて2本発表

その他の実績
• 2021年8月堀川、福本「大学生による地域愛着形成を促す実践プロセスデザインー地域学習教材「新潟ぱるた」を用いた場づくりを事例としてー」日本デザイン学会大68回春期研究発表会、グッドプレゼンテーション賞受賞
• 2021年2月第17回NKS地域活性化大賞奨励賞(新潟県異業種交流センター)
• 2021年1月夢の種プロジェクト2020作文&スピーチコンテスト銀賞(NPO法人市民協働ネットワーク長岡)
(小川)
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