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フォーリナーたち、よすがに。

四万温泉郷を舞台と考え、「温泉道×身体表現」を試みる環境空間
須田瑞希
学科・領域
建築・環境デザイン学科
コース
建築・インテリアコース
指導教員
山下 秀之
卒業年度
2020年度
私は、この場所を訪れた。
木が溢れていた、水の音が聞こえた、光が揺れていた。

「わあー、村みたいなんだ。」


やっぱりわたしは、ここに来なければならなかった。


なるほど、ここでフォーリナーたちは、身体表現をしていたのか。



身体表現をしている彼女。


それは、今までわたしが忘れていた、やりたくてもできなかった姿で、なんだか泣きたくなった。




美しかった。


頂上の舞台で座を組んだ。
ぐぅーっと体を伸ばすと、鉄錆の香りがした。

舞台に、山山に、溶け込んでしまいたい。



ここの全てを、
知りたいと思いたかった。



でも、消えてしまうような気がしている。




群馬県中之条町。
山あいに位置する、温泉道が息づく四万温泉郷。
旅館の仲居さんとして住み込みで働いた経験から、身体表現の舞台として場を形成した。

私自身がミュージカルをしていた経験から、この研究は始まった。
しかし、ここでの「身体表現」は、パフォーミングアーツなどの枠には収まらないことを、この一年で学ぶことになる。

文化が染み込んでゆくこと、先人たちの感じた「美しさ」を知ること、
胸いっぱいに呼吸すること、自然を全身で感じること。
そこが「舞台」ならば、表現者は表現するのだと思う。
この四万という舞台に、たくさんのフォーリナーたちが訪れてほしい。

まだまだ、わからないことだらけだ。
私は、生涯をかけて追求したいと考えている。