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日本の民家における縁側

宮谷 愛
学科・領域
建築・環境デザイン学科
コース
環境計画・保存コース
指導教員
平山 育男
卒業年度
2021年度

縁側って何?
縁側とは、居室と庭との間に設けられた、板張りで細長い平面となる施設のことです。

 

縁側の形は1つしかない?
縁側には様々な形が存在します。今回の研究では、以下の8種類に分類しました。

①外縁   居室の横に板が張り出した縁側
②雁木   外縁から離れた位置に柱が立つ縁側
③土縁   雁木の柱側に建具が設けられた縁側
④半外縁  外縁のふちに柱が立つ縁側
⑤内縁   外縁のふちに建具が設けられた縁側
⑥広縁   一般的な縁側の幅半間より広さがある内縁
⑦入側縁  縁側の内側にもう一つ通路がある縁側
⑧なし   縁側が設けられていないもの

 

全国にどれくらいある?
『日本の民家 調査報告書集成』に掲載されている民家を調査し、都道府県ごとに集計しました。
総資料数は5873件です。

 

調査してどんなことが分かった?
縁側の特徴によって6つの地域に分けることができます。





さらにここから、縁側に対して2つの違いが見えてきました。

⑴北海道から北陸、沖縄など気候が極端な地域では、
縁側のさらに外側から囲うことで、縁側を外部空間と一体で取り込みたいと考えていること。

⑵関東から九州にかけて比較的気候が温暖な地域では、縁側だけを囲い、縁側が居室の延長であると捉えていること。

つまり、同じ縁側であっても、土地の気候と人々の考え方に基づいた縁側が作られているのです。