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地域学習教材の開発

「いただき!クラスタベール」を事例として
小谷郁佳
学科・領域
建築・環境デザイン学科
コース
環境計画・保存コース
指導教員
渡邉 誠介
卒業年度
2020年度

1.研究の背景と目的
3年後期の授業課題で山古志地区を対象地域として都市計画・まちづくり課題に取り組みました。この授業課題を通じて中山間地域である山古志地区の人口は、1960年の6,016人から、2020年には902人にまで激減していることを知りました。町おこしの専門家ではない私が中山間地域である山古志地区を対象地域として、人口減少を抑制すために取り組み、その記録を行い、町おこしの取り組み方の1つの事例として提示します。

人口減少を抑制するための取り組みとして、地域住民や外部の町おこしの専門家、第三者が地域の情報を地域外の人に伝えるとき、情報の受け取り手である地域外の住民には、楽しいから何かする内発的動機と問題を解決したいから何かする外発的動機があります。内発的動機に視点を当て、カードゲームの可能性を考えました。
カードゲームに着目したもう一つの理由としては、私自身幼いころから家族や友人とカードゲームやボードゲームで遊んだ体験が挙げられます。画面を見て遊ぶオンラインゲームやテレビゲームなどのコンピュータゲームとは異なり、カードゲームやボードゲームでは遊ぶ人と場所や時間を共有し、お互いの顔を見て行うことができるため好んで遊んでいました。また、私が祖父母と遊ぶ際は、コンピュータゲームであると祖父母は操作が難しいと言う理由から敬遠することも少なくはなかったが、カードゲームやボードゲームであれば、参加することが多かったです。カードゲームならばルール次第では子ども、大人、お年寄り、幅広い世代と交流でき、相手の顔を直接見て遊ぶことができると考え、山古志地区の暮らしや文化を楽しく学べるツールとしてカードゲームに着目しました。

そこで、本研究では外部の者と住民が関わり制作される地域学習教材としてのカードゲーム「いただき!クラスタベール」の開発と制作プロセスの記録を目的としました。

2.「クラスタベール」とは
「暮らす」、「食べる」の名前の通り、山古志の「暮らし」、「食文化」、「いきものたち」について、
体を動かしながら学ぶことができるカードゲームです。
今回は山古志バージョンを制作しましたが、様々な地域を対象に制作が可能です。
山古志で暮らす子どもたちに協力してもらい制作を行いました。

山古志の子どもたちの描いたカード

子どもたちの描いたカード案を基に新しく制作したカード

山古志地区に住む小学生を対象としたワークショップを行い子どもたちにカードのアイデアを出してもらいました。そのアイデアを基にカードを制作し、制作プロセスの記録を行いました。山古志地区の子どもたちは活発で初対面の私にも積極的に話しかけてくれ、初めてのワークショップではありましたが、緊張しすぎることなく楽しんで行うことができました。

 

「いただき!クラスタベール」の制作では、たくさんの方々に協力していただきました。嬉しい言葉、素直な意見を得ることができ卒業研究を進める上でとても励みになりました。