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地に秘し花、もののあはれ。

地下参道が繋ぐ一対の典礼所
齋藤 萌
学科・領域
建築・環境デザイン学科
コース
建築・インテリアコース
指導教員
羽原 康成
卒業年度
2023年度

 私はこれまで、たくさんの美しい情景に出会い、心動かされてきた。

 美しい情景を目の当たりにしたとき、内からあふれる、
しみじみとした気持ちや誰かに伝えたくなる気持ち、
五感の心地よさを一言で表すならば、
もののあはれ
という言葉が適当であると考えた。 


 スマホばかりを見て、風景を見ることが減った現代人は、
存在する「もののあはれ」を認識できずにいる。
社会の価値は経済性に置かれ、風物を愛で、
人に思いを寄せる心の豊かさを失った。

 本研究は「もののあはれ」を建築景観により誘発することで人の心の豊かさに寄与することを目的とした。

 人や風情に思いを馳せる場所として、典礼所が適当であると考えた。
冠婚葬祭の式の場として提案し、地下と地上にて一対の典礼所とした。

建築がつくる情景は、瞬間的で感覚的なこころの動きを与えることができるのではないか。