ラジオ番組の制作プロセスと視聴者に及ぼす影響に関する研究
研究の背景と目的
現在、ラジオの平均聴取時間は減少している現状ですが、自身がラジオによって人とのつながりを深めた経験があり、「ラジオを始めたら人とのつながりを作ることができるのではないか」と考え、2019年6月、「造形大生の今を伝える」というテーマのもと、造形大生や地域の人を発信するラジオ、「ラジオコネクト」の活動を始めました。
本研究では、ラジオにおける番組の制作プロセスと視聴者に及ぼす影響の関係を明らかにすることで、メディアを通じた人と人のつながりを問い直し、新たなメディアリテラシー、ライフスタイルを提案することを研究の目的としました。
結論
本研究の結論として、筆者自身の活動である「ラジオコネクト」を振り返った際、その長所として捉えられるのは、企画を始めてから1年数ヶ月という期間の間に16回放送分まで制作・配信し、継続してきた「持続性」であると考えられました。
「ラジオコネクト」放送スクリプトの共起ネットワーク分析調査、また「ラジオコネクト」を継続的に視聴している視聴者2名へのインタビュー調査からの仮説の検証では視聴者が参加・疑似体験できる放送回が多くの人を結びつけることにおいて効用あると示唆されましたが、「持続性」という観点において制作者の労力が過大になるケースも少なくありません。
そうした時に、制作者自身の好きな物について紹介したり、Googleフォーム等のインターネットシステムを用いて、川柳を募集したりといった制作負担の少ない取り組みを活動内に取り入れるなど、多様な発信の仕方を筆者自身で築き、活動を持続させてきました。
様々な発信方法で「ラジオコネクト」の活動を16回持続させてきたことで、筆者が今まで知り得なかった人とつながる「広がるコネクト」だけではなく、両親や地元の友人など、筆者がよく知っているはずの人との間にラジオによって新たな情報を共有し、新たなつながりを築く「深まるコネクト」ができるということを発見しました。
提案
多様な発信方法を築くことで活動を持続させる「良質な持続」こそが、メディアリテラシーをライフスタイル化する最も重要な秘訣であると考えました。
以上より、まちづくりに資する情報発信を個人で持続できる重要な秘訣として、多様な発信方法に基づいて制作者のメディアリテラシーをライフスタイルに結びつけ、構築することを本研究の提案とします。
ラジオコネクト、是非ご視聴ください!
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