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ちいさな文字

文字表現におけるルビの視覚的効果についての研究
齋藤紗葉
学科・領域
視覚デザイン学科
コース
伝達デザインコース
指導教員
天野 誠
卒業年度
2024年度

日本語特有の文字記号である「ふりがな」
印刷用語でいう「ルビ」に焦点を当てる。

ルビ文字が漢字、親文字がひらがなになっている本。

ちいさな文字たち 2

 

 

 

ルビは決して正しい読みを示すものではない。
ルビとは「筆者のこだわり」である。
ルビとは「世界観構築の柱」である。
ルビとは「優しさ」である。

親文字がイメージになっている。

ちいさな文字たち 3

 

ルビによって日本語はもっと面白くなるはず。
もっともっとちいさな文字たちの存在を、日本語の魅力を知って欲しい。

ルビについての組版ルールをまとめた冊子。

ちいさな文字の使い方

 

日本語が、ちいさな文字が、
消えませんように。

 


 

 

 


日本語の魅力は、「書かれている記号と異なる読みを示すことができる」ことだと考えます。
これは、表意文字である漢字と、表音文字であるひらがな・カタカナの3種類の文字記号で構成される文字記号であるためです。
例えば、現在ではひらがなで表記されることが多い「はっきり」という言葉ですが、以前は「判然」、「明瞭」、「爽快」、「明白」など、様々な漢字を使用してこの「はっきり」を表していました。このとき、読者は書かれている漢字のみでは「はっきり」とは読むことができないために、ルビが音を補足する役割を担い、これらの文字が記載されていました。
文字記号が3種類あるからこそ出すことができる筆者のこだわり。それを表現できるのがルビという文字記号です。

ルビは音を強制的に決定するという大きな力を持っています。
この力をもっと活かして、将来的に消滅してしまうと言われている日本語の魅力を伝えることができるのではないか、或いはルビによる全く新しい表現を見つけることができるのではないか、と考えました。

組版という緻密に設計されたルールの中でルビがどのように使用されているのかを知ってもらうこと。
また、そんな規則から逸脱した文章によって、日本語の面白さを引き出すこと。
この2つを目標に冊子を制作しました。

▼研究資料
天野研_213047齋藤紗葉_研究