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プレー

境界が遊ぶ世界の視覚的版表現
中沢日奈子
学科・領域
美術・工芸学科
コース
美術表現コース
指導教員
岡谷 敦魚
卒業年度
2024年度


 

作品制作や考察を深めていく過程で〈自己〉と〈他者〉の〈境界〉が曖昧になる、あるいは分断しようとして〈境界〉が生まれることに興味を持ちました。その現象のどちらにも嫌な側面があり、〈自己〉と〈他者〉のいる場の居心地もそれによって変化するところが大きいです。私は〈境界〉が揺らぐその存在について表現していきたいと考えています。

版画を制作すること、鑑賞することの楽しさもそういう〈自己=主体〉と〈他者=客体〉の関係性の曖昧さから発生すると思います。版画の〈主体〉が人間なのか、版なのか、作品なのかがわからなくなる瞬間があります。

今回の展示では「〈境界〉が遊ぶこと」を目的として、LEDを用いて作品自体を発光させました。私の作品制作中に、〈自己=主体〉と〈他者=客体〉の関係性が入れ替わり、その〈境界〉が遊んだように、〈鑑賞者=主体〉と〈作品=客体〉の〈境界〉も遊んでほしいと考えています。