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Arbitrary Rooms

ロークライクゲームの制作に関する研究
土戸 彩
タイトル画面
学科・領域
視覚デザイン学科
コース
表現デザインコース
指導教員
御法川 哲郎
卒業年度
2024年度

Arbitrary Rooms

概要
ローグライクというゲームについて知り、ローグライクの要素を用いて新たなゲームの制作を行う。

動機
もともとゲームが好きで、ゲームを自分でも作ってみると、思ったよりも自分の伝えたい・楽しんでもらいたいと思った要素を伝えることは難しいと感じた。
今回の制作では、既存のゲームがどんなふうに楽しさを伝えているのか調べ、今までローグライクというジャンルのゲームをやったことがない人でも、楽しいと思ってもらえるゲームを作ることを目的とした。

ローグライクとは
ローグライクゲームは、『ローグ』と同等の特徴を持っているコンピューターRPGの総称。RPGやシューティングゲームと比較するとメジャーなジャンルではないが、インディーズゲーム(個人制作)において最近見られる機会が増えてきた。コンシューマーゲームにおいては『風来のシレン』が代表的。ランダム生成による毎回違うダンジョン、死んだらやり直し、死んだorクリアした時点でのスコア制度、ターン制の戦闘などの要素が挙げられる。
今回は特にランダム生成による毎回違うダンジョン、加えてランダムなイベントに注力し制作した。

制作したゲームについて

タイトルシーン ゲームを開いて最初に表示される画面。メインキャラクターとなる猫のスパイのイラストや、ゲームを開始するためのボタン、制作者名などのクレジットを表記するためのボタンがある。


ストーリーシーン ストーリーパートでは、猫のスパイがホテルに潜入することになった経緯などが表示される。他にもゲームオーバーになった際や、ゲームクリアになった際などのテキストがメインになるシーンで使用。



ゲームシーン アイテムや情報を得ることができるパート。
主に画面左を操作する1枚目、画面右を操作する2枚目を繰り返す。
1枚目では画面左の扉ボタンをクリックし、どのようなイベントに遭遇するか決定する。2枚目では実際に起こったイベントに対して選択をしながらストーリーを進めていく。


ラストシーン
アイテムなどを準備して、最終的にホテルのオーナーであるボスに立ち向かうことになるシーン。ここでも選択肢を押していき、アイテムを活用しながらゲームクリアを目指してもらう。ボスのテキストやダメージはランダム。

ゲームのシステム
ランダムなマップの要素、ランダムなイベント、イベントに対応する選択肢
これらの要素を合わせ、プレイヤーにはプレイするたびに変わる状況の観察、推測を楽しんでもらいながら、ゲームクリアを目指してもらう。

また繰り返し遊ぶことを前提とし、以下の要素に注意し制作を進めた。
・ゲームをあまりプレイしたことがない人にもプレイが可能な操作である
 →マウスのクリックのみでプレイが可能
・ゲームスタート〜ゲームオーバーorゲームクリアまでが著しく長くない
 →5〜10分ほどでプレイ可能

ランダムな要素について
取り入れたのは主にマップ、イベント面。マップの構成要素は主に3種類あり、選んだ扉をもとに、そこからさらにイベントがランダムに振り分けられ、プレイヤーはそれを体験するというもの。当初より行いたかった、『繰り返し遊ぶ』という点を実行できた。

ローグの要素におけるゲームオーバーは比較的深刻なものではなく、繰り返しゲームオーバーになることが前提である。遭遇するイベントや敵などに繰り返し対処していくうちで、戦術を考えることも多い

動的なUI
画面に動きを与え、プレイヤーがどこを見ればいいのかわかりやすくした。今回制作したゲームは画面の左と右で操作が切り替わるため、主にそういった箇所を見やすいようにした。

ランダムに生成されるマップの実装について
マップのプログラムは以下。
1〜3がランダムに選ばれる(1列に配置される要素の上限)→3つの要素(扉)の中から、ランダムに1つ配置する(要素上限まで繰り返す)
扉のアイコンには複数のイベントが設定されており、クリックすると設定されたイベントの中から一つがランダムに実行される
上記のシステムを指定された回数分行う。指定回数はゲームに置けるホテルの階層表現に当たる。
ゲームを開始するたび、同じ状況ではないため、その状況に適応した攻略方法を考えることができる。違う状況、予想外の楽しみがある。ランダムな実行結果のデメリットとして要素の偏りがある。極端な例をあげると、すべて同じイベントになる可能性があり、各要素の最大値を決定するなど改善を試みる予定。

展示について
展示風景
ゲームのダイジェスト動画、ゲームのプレイ動画を大きいモニター、Imacで再生。デスク手前に設置されたノートPCでは実際にゲームがプレイできる。
他にゲームに登場するイラストや、来場者向けのゲームの操作方法についてのパネルを展示した。