アイデアチェスト

研究テーマ
アイデアを大切に保管するためのメモアプリ開発
私は普段アイデアが出た時にスマホのメモアプリに残すようにしています。しかし様々なメモアプリを使う中でアイデアを残すものとしてこれだ!と思えるアプリがまだありませんでした。また以前からアプリの企画とUIのデザインは制作の中で経験してきましたが、その先にある実装を、一度学生のうちに経験し、少しでもエンジニアさんの視点を理解したいと考えていました。以上二つの動機から今回の卒業制作では「アイデアを大切に保管するためのメモアプリ開発」というテーマで初めてアプリ制作の実装まで挑戦することに決めました。
経験から感じていた問題
アイデアが埋もれて勿体無い!
制作を始めるにあたって、過去の自分のアイデアの扱い方について振り返り分析していきました。そこで気づいたことが二つありました。
①紙で残すとどこに書いたか分からなくなる。
紙に書いてアイデアを残した場合、思いついた時身近にあるノートや紙に書いてしまい欲しい時にメモを見つけることに手間取ってしまいます。
②アプリに残すと埋もれてしまう。
アプリにメモを残した場合は紙と比べるといつでもどこでもスマホに残せて便利ですが、その反面たくさんのアイデアが一つの場所に集まってしまい欲しいアイデアが埋もれていってしまいます。
どちらも「アイデアが埋もれてしまう」という問題があり、それが非常に勿体ないと感じました。どんなアイデアも、いつかの自分にとって「ひらめき」のきっかけになる可能性があります。どんなアイデアも大切にできるメモアプリが欲しい!この思いを基盤に今回のアプリの企画・デザインを考えていきました。
成果物
アイデアのためのメモアプリ「アイデアチェスト」
今回私は「アイデアチェスト」というアプリを制作しました。
どんなアイデアも大切にできるメモアプリが欲しい!という想いから今回制作するアプリ上ではアイデアをお宝のように扱ってもらおうと考えました。
英語で宝箱は「treasure chest」、お宝=アイデアということでそのまま変更してアプリ名は「アイデアチェスト」と名付けました。
このアプリは「アイデアを大切に保管すること」と「アイデア出しの手助けをすること」の二つの特徴があります。
まずは一つ目のアイデアを大切に保管する機能について。大きく分けて二つの機能を実装しました。
①アイデアを種類ごとに分けて整理する
同じアイデアのメモでもすぐにでも使えそうなものも、取り合えず残しておいたものもあると思います。それらを一つの場所に保管してしまうとアイデアを振り返る際に欲しいアイデアが埋もれて非常に不便です。その問題を解決するために、アイデアを保存する際に「下書き」「清書」などアイデアの状態ごとにフォルダを分けて保存できるようにしました。
②アイデアを「寝かせる」場所を作る
アイデアを考える中で自分で良いのか悪いのか、使えるのか使えないのかが分からなくなってしまったアイデアもあります。そんなアイデアの新しい使い方として考えた機能です。保存時に「寝かせる」を選んだアイデアは他とは別の場所に保存されその場所でのみ振り返ることができます。しばらく時間が経った後にそのアイデアを見てどのように感じるのかを考えてもらうための機能です。
次に二つ目のアイデア出しの手助けをする機能について。こちらも二つの機能を実装しました。
①ワードガチャ
3つのワードからランダムでヘンテコな文章を作り出してくれる機能です。25万通りの文章を作ることができます。全く関係ないと思っていた言葉やイメージからアイデアにつながることもあります。行き詰まった時や息抜きにゲーム感覚で使ってもらえたらなと思います。
②思考方法を見る
アプリオリジナルで考えた思考法を見てアイデア出しの手助けをする機能です。①と同様行き詰まった時に読んでもらって少しでもアイデアの手助けができればと思います。
デザインのこだわり
ワクワクする世界観作り
アイデアチェスト内のUIの世界観は「お宝」というワードから連想し、宝の地図や冒険などをイメージしながら制作しました。背景はホーム画面の場合スタート地点という意味を込めて宝の地図を連想させる紙を配置するなど、それぞれの機能にあった背景作りを大切にしています。
ロゴやボタンなどのデザインも同じく世界観を意識しつつ、ロゴはあえて少し読みにくくボタンは古い資料や宝の地図に描かれていそうな質感を目指して制作しました。
おまけ
こだわりポイント
ここでちょっとしたこだわりポイントをおまけとしてご紹介したいと思います。
アプリのホーム画面には、偉人のアイデアや発想に関する名言がランダムで表示されます。アプリを開く際のちょっとした楽しみとしてご覧いただければと思います。また少数ですが、視覚デザイン学科の先生の名言も混ぜています。制作当初から一つのゴールとして「後輩に使ってもらえるアプリを作る」という目標を掲げていました。後輩の皆さんが使っている最中に知っている先生の名前を見つけ少しクスっとしていただければ嬉しいです。
最後に
今回の卒業制作で初めてのアプリの実装を無事達成することができました。初めて使うソフト、言語に慣れることからはじめ、最初の頃は何度か挫けそうになることもありましたが慣れていくうちに実装の作業も楽しく思えてきました。どの作業も調べては試してみるの繰り返しばかりだったため、この制作を終えたからといってエンジニアとしての技術が身についた!とは正直思えません…。しかし普段自分が使うアプリの構造をなんとなくでも理解することができ、これまでとは少し違うアプリの見え方ができるようになったと思います。そして何より実装を一度経験するという経験は今後の自分にとって自身につながりました。
アイデアチェストを通してアイデア出しが少しでも便利に、楽しく感じてもらえれば嬉しいです。
以下のURLよりApple Storeより実際にダウンロードしてお使いいただけます。
https://apps.apple.com/jp/app/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%87%E3%82%A2%E3%83%81%E3%82%A7%E3%82%B9%E3%83%88/id6738114058
※iPhoneで利用することを前提で制作しています。iPadでもダウンロードすることは可能ですが推奨は致しません。