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宴の中の酔客お残しを知らず

飲食店の食べ残しの意識を変える研究
石田爽
学科・領域
視覚デザイン学科
コース
伝達デザインコース
指導教員
徳久 達彦
卒業年度
2024年度

宴会用食べ残し削減ミッション型カードゲーム

食べ残しが多くなりがちな“大人数の宴会”に特化してアプローチした新しいカードゲーム。
宴会を楽しみながらも食べ残し削減に取り組むことで、食べ残しに対する参加者の意識を変えることを目的としています。
7種類の役職カードがあり、その中から自分と似ているタイプを選ぶことでタイプの持つ課題に沿ったミッションが与えられる仕組みです。「酔っ払いカード」というエンタメ要素を持つカードと合わせて使うことでより難しく、より楽しくプレイできます。

 

【背景】 私がテーマを決めたきっかけ



私は農家の生まれで幼い頃から食品に携わる多くの人と関わってきました。
そのため人一倍、食べ物に対する思いは強いと思っています。
しかし大学に入り居酒屋のアルバイトを始めてから、大人数の宴会では食べ残しがとても多いことを知りました。
食べ残された料理をたくさん廃棄するたびに心が痛み、自分にできる事は何かないか考えていました。そこで宴会の食べ残しを卒研のテーマとして選び解決策を考えました。

 

【課題】 宴会における食べ残しの現状


食品ロスの調査によると外食での食べ残しは宴会が最も多いということがわかりました。また普段の食事や少人数の飲み会では残さない人でも大人数になると残してしまう人が多く、残すことをもったいないと感じていることもわかりました。
そこで私は参加者側にアプローチする必要があると考えました。

 

【考察】 なぜ大人数の宴会だと食べ残しが多いのか?


大人数の宴会で食べ残しが発生してしまう理由は調べるとたくさんありました。
飲みが中心、おしゃべりが中心、遠慮してしまう…
しかしこれらの様々な原因はある課題が原点としてあるのではないかと私は考えました。それは、
“宴会は食事をするための場ではない”ということ。
多くの宴会はコミュニケーションを目的としたものが多く、交流がメインとなることで普段よりも残すことに対するハードルが低くなり、その派生として上記のような課題が生まれていると仮定しました。そこで以下のように定めて提案を考えました。

課題 → 食べにくい環境
解決策 → 全員が食事に取り組みやすい空気を作る

 

【提案】


考察を踏まえてできたのが「宴の中の酔客お残しを知らず」です。作る上で次の3つの要素を特に意識しました。
・ビンゴのように宴会の余興として取り入れやすいこと
・ミッションをクリアすればいいという、酔っ払ってもできる簡単なルール
・食べることをミッションとして与えることで、普段やりにくくてもやりやすくなる(食事に取り組みやすい空気作りが可能)

 

【工夫点】①課題に沿ったミッション


宴会で食べ残しをしてしまう人は7つに分けることができると考え、私は以下の7つのタイプの人に分けました。
そしてこの7タイプそれぞれに役職を当てはめることで、タイプに相応しいミッションが与えられる仕組みにしています。

 

【工夫点】②エンタメ要素


この作品のコンセプトは「楽しみながら食べ残し削減に取り組む」こと。
この役割を持つのが酔っ払いカードです。酔っ払いカードは裏に少しふざけた特徴のようなものが書かれています。


このカードを持つと酔っ払ってこの特徴通りに演じなければいけません。ミッションカードと組み合わせて使うことで、一見つまらなそうな食べ残し削減ミッションでも少し面白くなり、やる側も見る側も楽しむことができます。

例:  ・オーバーリアクションで一番多く残っている料理を食べる
   ・執事風に2品食レポする



【ルール】


最もクリア数が少ない人は宴会の締めの挨拶を任せられます…。
より多くのミッションのクリアを目指しましょう!

 

【検証・PR動画



このゲームを使うことで食べ残しに対する意識が少しでも変わり、宴会をより気持ちの良いものにできたら幸いです。

 

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