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地域がひとつの家だとしたら

ー地域スキーマの可視化を通じた、「らしさ」を育むまちづくりプロセスの提案と実践ー
原田旺輔
学科・領域
修士課程 建築・環境デザイン領域
指導教員
北 雄介
卒業年度
2024年度

本研究は、地域らしさを守り、育むことのできる地域形成のあり方をテーマに、生活者の主観に着目して地域らしさを明らかにする可視化手法の構築と、そうして明らかとなった地域らしさを活用したまちづくりプロセスの提案を行う。

地域おこしやまちづくりといったムーブメントでは地域らしさが価値として扱われるが、それはキーワード的な分かりやすいものであり、分かりやすいらしさがない地域ではムーブメントすら起きにくい現状がある。

私は地域を安易に決定づけるキーワードとしての「地域らしさ」ではなく、日常の中に充満している「地域らしさ」を扱うことが魅力的な地域形成において重要であると考える。それは、慣れ親しんだ道や郷愁を感じる風景といった、地域空間を構成する流れのようなものである。
そしてそれは人によって異なり、分かりにくいものだろう。

人それぞれ異なる地域らしさを扱えるものとするため、地域スキーマという概念を定義し、家というアナロジーを用いた可視化手法を構築した。

長野県松本市波田を対象地域とし、波田中学校の三年生一クラスを対象に「みんなの家」づくりと題したワークショップを実施し、地域スキーマを共有した上で、地域空間利用のアイデアを考えてもらった。

そしてそのアイデアの地域実装として「HATANIWA PARK」企画を実施し、一連のプロセスの実践的な検証を行った。

一連のプロセスは、繰り返すことで、住民の主体性を育むと同時に、地域らしさを醸成していけるプロセスとなったと考える。