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アジールについての建築論的視座の構築 

現代におけるアジール空間の創出に向けて
櫻井康平
学科・領域
修士課程 建築・環境デザイン領域
指導教員
北 雄介
卒業年度
2024年度

アジール(独 Asyl,英 Asylum)は「自由」や「平和」を意味し、それに満たされた「聖なる領域」のことである。そこに逃げ込んだ人々はあらゆる脅威から身を保護される、不可侵領域である。その古い時代、アジールは法体系にまで上り詰め、その観念は人々に浸透していた。特に、人々の生活の場である「家」はアジールとされ、平和領域として不可侵な場として認識されていたが、アジールという不合理な観念は、合理化していく社会の中で失われていった歴史を持っている。

本研究は、哲学的視点からアジール理論の再解釈を行うという方法を取り、アジールと建築の理論的接続を図ることによって、現代の新たなアジールの空間的創出に向けた建築論的視座の構築を目指すものである。