rhetoric
線の集合からなる構造に家具としての実用性をもたせる提案

学科・領域
プロダクトデザイン学科
コース
プロダクトデザインコース
指導教員
金澤 孝和
卒業年度
2024年度
ストリングアート(糸掛け曼荼羅)という、環状に並んだ釘に
糸を順にかけていくことで幾何学文様や図案を描く技法があります。
この技法は数学の倍数との関連性が高く、「糸を釘にかける間隔」と「釘の本数」を
変えることで表れる模様もその2つの数の公倍数目の釘で循環するような
パターンに変化するという性質がありますが、私はこの性質が
設計のうえでも有利に働かせることもできる性質のように思えました。
ストリングアートは細い糸で緻密な模様を描くため、絵画やオブジェのように
鑑賞目的の使用をされることが主ですが、上記の数学的な性質を踏まえ適切に
間隔数と釘数を設定すれば、実用に足る強度や耐久性を出すことができるのではと
考え、今回の提案に臨みました。
日常生活の中で使うようなかたちにする際に、糸をかけるための釘とそれを打ち付けるための板が
あると展開の幅が限られてしまい、新規性のある用途に繋げ難いと感じたため、
今回の提案では従来のストリングアートのような糸を釘にかける形ではなく、
ラタンチェアの縦芯に着目しそれを釘に見立てることで模様を描き、座面として活用するようにしました。
そのためラタンチェアの縦芯の本数は、座面に描かれる模様も考慮したうえで設定してあり
今回は幅などの調整もしやすいように3つの素数を因数にもつ3×5×11=165本に設定してあります。
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