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またねキャスト

AIと一緒に故人を語る時間
眞鍋友海
学科・領域
視覚デザイン学科
指導教員
徳久 達彦
卒業年度
2025年度

またねキャストとは
AIパーソナリティふわりと、架空ラジオ番組「またねキャスト」でゲストとして大切な故人のことを話すプロジェクト。AIから投げかけられる質問を通じて、故人の性格や考えを辿り直します。 AIとの対話で、自分一人の視点では気づけなかった「故人の判断や想い」を考えることで、心の整理を手伝います。 物体としてのつながりが消えたあと、心の中の故人と自分との関係を築き直すための時間です。

https://youtu.be/E75Dv9DnDuk

研究動機

3年前に父を亡くしてから、研究当初は思い出すと泣いてしまっていました。一緒に過ごした、いい時間はあったはずなのに思い出すと辛いからずっとしまった状態を続けていたらいい思い出も自発的に思い出しにくくなっていました。悲しみ、後悔は時間経過でしか癒せないとよく言われています。もう3年も経っているのに癒される時がいつになるかわからないまま待ち続けることに不安を感じました。そのため、悲しみを少しでも緩和する一つの手段を何か提案したいと思います。
この研究は感動を誘いたいわけではないし、故人を安心させたいわけでもないです。どこにもやれない悩みを、自分を、救うために行います。また、同じように悩んでいる人の助けになりたいです。

提案にいたるまで

調査

私は当初、「親しい人を亡くした時の悲しみは他の人もずっと抱えているはずだ」と考えていました。
しかし、死別経験のある友人3名にインタビュー、大学関係者45名にアンケートをとったところ、インタビューでは全員が、アンケートでは約7割が「心の整理はできている」とのお答えをいただきました。

分析と課題

では、私の状態と整理がついている人で何が違うのか、インタビューをもとに分析しました。
その結果、

  • 故人がいなくなる覚悟ができていたか
  • 後悔や自責が残っていないか

の2点であるのではないかと考えました。

コアターゲット
大切な人が亡くなってから1年以上経過した方で、心の準備をしづらかったまたはいまだ後悔や自責を抱える人

ターゲットの現状:後悔や自責をしてしまう 
ターゲットの理想:悲しさや複雑な気持ちが減ること

→このギャップが生まれている原因、つまり課題は
自分一人の視点(主観)で考え続けてしまい、自責のループにはまってしまうことではないかと考えました。

提案

架空のラジオ番組「またねキャスト」の新米パーソナリティふわりがゲスト役のユーザーに故人のことについて質問する形で進んでいきます。

ユーザーが「故人像を言語化する」→「AIふわりがそれに対して少しズレた応答する」

これを繰り返していくことで故人への解像度を高めます。

 

実際に下記リンクからまたねキャストに参加できます
ふわりとじっくりお話ししてみてください。
https://v0-matanecast.vercel.app/

注意
大切な人が亡くなって1年未満の場合はまたねキャストの利用を推奨していません。
パーソナリティが新米なので返答に少々時間がかかることがあります。
最初から中々話さない場合はリロードしてみてください。
卒展期間中限定公開です。

実際に5人の方にまたねキャストに参加していただきました。
コアターゲット…3名
サブターゲット…2名

結果
悲しみを減らす以外にも半数以上にポジティブな変化が生まれた

悲しみ、負の感情が減ったという人は約半分ほどだったものの、悲しみを減らすこと以外ではほとんどの検証者にポジティブな声をいただきました。

  • 心の整理の手伝いになった
  • 負の感情が少し減った
  • プラスの記憶が強く残った
  • 久々に思い出して心が温かくなった
  • もっと思い出話をしたかった

さいごに


またねキャストはユーザーの思考に客観性を持たせることを目標としています。
故人の価値観や考えを思い出して自分の思考に活かせることができたらいいなと思っています。そしてそれがユーザーが持つ悲しみを減らすきっかけになれたら幸いです。