高校生が地域の大人との出会いによって多様な生き方を受容するデザインプロジェクトの実施とその効果にかかる一考察
-新潟県長岡市で実施する動物図鑑プロジェクトを事例として-
学科・領域
修士課程 イノベーションデザイン領域
指導教員
板垣 順平
卒業年度
2025年度
大学院生としてデザインの知見を学びながら研究を行い、その成果を長岡市地域おこし協力隊の活動に生かして地域で自分のやりたいことを実践しながら地域課題の解決に繋げていく『長岡市×長岡造形大学大学院イノベーター育成プログラム(いのプロ)』の5期生です。
本研究では、自らが企画・実施した「おもしろい動物図鑑をつくろう!〜長岡の“おもしろい大人”を動物で表現しよう〜」を研究対象としています。このプロジェクトに参加した高校生が地域のおもしろい大人から直接話を聞くことがキャリア観の向上にどのように寄与するのかを、参加した高校生の口述情報からメンタルモデルを作成し、分析しました。
分析の結果、地域の「おもしろい大人」から話を聞くことが、高校生の主観的かつ固定的な前提を揺さぶり、不安の低減と前向きな感情の立ち上がりを媒介として、探索的行動や進路選択の捉え直しへと接続されていく一連の認知過程を明らかにしました。また、ロールモデルの獲得を単なる「人物の発見」としてではなく、①苦労や迷い、感情を含むナラティブとして受け取ること、②自己との重なりを見出すこと、③遠い存在であった大人が身近な存在へと再位置づけられることから成る段階的なプロセスとして提示するとともに、おもしろい大人の話が「参加前の前提」を揺らがせる補完的な要因となり、且つ、この揺らぎが前向きな感情の立ち上がりを促すことを本論の結論としています。