赤裸々
布の特性を活かした視覚表現の研究
学科・領域
視覚デザイン学科
指導教員
吉川 賢一郎
卒業年度
2025年度
本研究は、布という生活に身近な素材の特性に着目し、その物理的なたわみを利用した新たな視覚表現を探るものである。
布は柔らかく自在に形を変え、人の身体や生活に身近な素材である。
この布に意図的なたわみを生み出すと、そこに影が生まれ、その影はまるで線のように空間に現れる。
布を単なる素材ではなく画材として捉え、布のたわみによってドローイングをおこなう手法を試みた。
そしてこの行為を「Fabric Drawing」と名付けた。
Fabric Drawingによって描かれる線はペンや筆による線とは異なり、曖昧さや不完全さが特徴である。
その線は視覚だけでなく触覚や情緒にも訴えかけ、鑑賞者自身の生活や日常の記憶と結びつく。






私は日々、自分自身への期待と現実との違いに落胆している。
こうなりたい、ああなりたい。
こうはなれない、ああはなれなかった。
そんな自分も愛しく思いたくて赤裸々に線を描いた。
本作が、鑑賞者それぞれの身体の記憶や日々の感覚に静かに触れることを願っている。

