架空の男性アイドルCAF7
研究の動機
日本と韓国どちらのアイドルも好きになったことがあるからこそ、同じアイドルなのに国が違うだけで生まれる差が面白いと感じました。そこで、今の形になった歴史や背景を調査し、何気なく見ているアイドルの国の違いによる差と少し未来のデザインを考察したいと思いました。
調査したこと
①アイドルの歴史
日本のアイドルの歴史
日本では1950年代からアイドル・スター文化が見られた。始まりは、ロカビリーやザ・ピーナッツなど。また、日本におけるアイドルの隆盛時期は不況の期間と一致することが多い。
韓国のアイドル歴史
1987年に結成された「ソバンチャ:소방차」が韓国で初のアイドルグループと言われている。DSPメディアのイ・ホヨン社長やSMエンターテイメントの創設者であるイ・スマンはジャニーズに影響を受けたと言われている。
②最近のCD事情
日本
・初回限定盤二種、通常盤、+α で構成されることが多い
・CDはジュエルケースに入っている
・ミニフォトブックの封入
・形態共通の収録曲と、各形態ごとの収録曲。全てを聴くには全形態購入する必要がある。
・店舗特典が豊富(クリアファイル、ポスター、ジャケットなど)
・アルバムは¥3000~¥5000ほどの価格帯
韓国
・コンセプトに合わせた2~10形態構成(さらに多いものもある)
・大きさ、形、材質、全てバラバラ
・CDよりもブックレットメイン
・トレカやポスカなど紙媒体、デジタルでの特典が豊富
・アルバムは¥1000~¥3000ほどの価格帯
考察したこと
日本
音楽配信サービスが主流になった現代でパッケージ(CDやカセットテープなど)の売り上げが世界的に見ても低下しています。ですが、その中でも日本は音楽売り上げがアメリカに次ぐ2位でパッケージの販売数はトップです。これはアイドルアルバムにも言えることです。日本のパッケージの特徴として、あえて他のメディアの露出を減らすことでCDへの関心を向けたり、店舗予約特典などのアナログ的なものに特典を多くつけることで販売数を増やすことに貢献しています。
そこから、今回私が考えるアルバムとしてDVDやブックレットを封入しCDを買うことに意味を、付加価値をつけること。店舗予約の特典を充実させることで様々なお店での販売数を増やすこと。コロナ禍で、音楽に対して癒しを求める人に向けてカセットテープやレコードなどのアナログ形態も制作すること。グッズでは、コンサート毎にコンセプトに合わせたペンライトを制作すること、普段使いすることができるグッズのトートバッグを制作することとしました。
韓国
韓国アイドルのCDは昔に比べ、パッケージとデジタルでの音楽配信サービスどちらもで売り上げを伸ばすことを目標としているアイドルが多く考えられます。それは、日本よりも数の多い音楽番組で一位を取ることやビルボードのランキングに載ることを重要視していることが多いからだと考えます。韓国アイドルには世界各国に大きなファンダムが存在しており、そのファンダム内でCDやダウンロード音源の大量購入をすることで好きなアイドルを有名にしたい!というファンが多いです。また、音楽番組で一位を取り、トロフィーをもらうことがアイドルとして一人前に人気を獲得したような風潮もあります。そこで、CDとしても単価を高くせず、日本で主流のDVDを付属する形ではなくトレカやポスカ、デジタル媒体での特典を増やすことで値段を低く多く買ってもらえるように構成されていると思います。ついてくるトレカやポスカは1/メンバー数でランダム。何枚も購入することで”推し”が出る確率を上げたいとファンは思います。なので、韓国アルバムは特典物が多いにも関わらず低価格でアルバムを買うことができます。
そこから、今回私が制作するアルバムとしてブックレットやトレカ、ポスカなどの紙媒体とデジタルでの特典を充実させました。日本と同様にレコード盤とカセットテープも制作します。グッズとしては、アイドルを象徴するペンライトを一つ制作します。
制作物
同じ要素 国によって変える要素
・グループ名 ・メンバーの名前
・ロゴマーク ・アルバム形態、デザイン
・メンバーの性格 ・グッズデザイン
・メンバーの身体的要素
・収録曲
グループ・メンバー詳細
CAF7(日:シーエーエフセブン 韓:シエプチル)
Create a furor 7 旋風を巻き起こす7人の略。音楽界に新たな歴史を刻む。
ファンネーム:Pinwheel( 風車 )[ 読み:ピィル ]
彼らに影響を受け輝く、彼らを際立たせる存在の意味を込めた。
メンバープロフィール
日本版
日本は本名で活動する人が多く、担当カラーが決まっていることも多いのでその部分を決めた。また、最近は日本人だけではなくハーフのアイドルや多国籍の子が日本のアイドルになることも増えてきたので、ハーフのメンバーを二人入れた。
韓国版
韓国は芸名で活動する人、本名で活動する人が半々くらいの割合。また、最近は韓国人だけでなく多国籍でグローバル化が進んでいるので、外国人メンバーを四人入れた。
アルバムコンセプト・ロゴ
収録曲
1.Swimming Ring
2.Wave
3.Salty
4.Paint Me
5.Orgel
6.Good Night
デビューアルバムのタイトル曲を”Swimming Ring”に設定し、夏の楽しい一日をこのアルバムで体験できるような収録曲を考えた。全ての曲で愛を歌う。また、1から6の順に一日が経過する。
アルバム名を”DEEPLY”とし、夏の青空と海の水色・愛を歌う収録曲のピンクをコンセプトカラーにした。ロゴは水と愛が溢れて滴っているようなデザインにした。
アーティストロゴは、日本は一度決まったロゴを大切に全ての媒体で使うことが多いので、左下の形に。反対に韓国では、決まったロゴからアルバム毎にコンセプトに合わせて変えることが多いので右下のデザインにした。
アルバム形態・デザイン
日本ver
CD
日本のアイドルアルバムのパッケージは、基本的にアイドルを全面に出したものが多いです。ですが、最近はイラストレーターやデザイナーとのコラボも増え、イラストのものも出てきました。そこで、全てがイラストでできているパッケージも主流になると考えました。今回は、収録曲の中から浮き輪やペンキ模様などを主軸に制作しました。
外見はスリーブになっており、中にはジュエルケースと通常盤以外には見にブックレットがついてきます。また、日本のアルバムにはDVDがついてることが特徴なので、DVDのデザインも制作しました。
アルバム特典ポストカード・チェキ風トレカ
日本のアイドルアルバムの特典では、最近トレカ(トレーディングカード)が見られるようになってきました。また、女性アイドルはサイン付き生写真(直筆がレア)が封入されています。そこから、生写真風のポストカードを特典としました。加えて、日本のアイドルはメンバーカラーを設定し大切にしているので裏面にはメンバーカラーを使いました。二つ目のチェキ風トレカは、イベントで一緒に撮ったりメンバーたちがよく撮りあっているものでファンにとってとても魅力のあるものです。ですが、特典としてつけているアイドルは少ないので未来の特典として考えました。
店舗特典ポストカード
日本は店舗特典が豊富です。ポスターやクリアファイルが主流ですが、コレクト文化が韓国から入ってきており、集めやすくメンバーランダムなポストカードが日本でも主流になりそうです。
その他形態・グッズ
コロナ禍から、家で音楽を聴くことに癒しを求めたりお金を使う人が増えています。このことが始まりとなってアイドルでもアナログ盤を出す人が増えると考えました。
日本のペンライトはライブツアーごとに、そのライブのコンセプトに合わせて毎回違うペンライトを制作します。そこで、デビューアルバムのファーストライブツアーを想定して浮き輪型のペンライトを制作しました。
また、同ツアーのグッズとしてトートバッグをデザインしました。最近では、ザ・グッズ!というよりライブの現場でも普段でも使えるデザインが好まれています。
韓国ver
CD
韓国アイドルのCDは大きさ・形・材質全てバラバラです。CDというよりもブックレットがメインになっているものが多いです。デザインに関しては、顔を全面に出したものや写真・イラストなど様々です。ですが、写真とイラストを掛け合わせたものが少ないです。最近では映像の中に手書き風の文字を入れる編集も流行っていることからこのデザインを考えました。また、デジタル技術を取り入れている韓国なので、ブックレットにはQRコードをつけ、推しの声が聞けるシステムにしました。日本版と同じく収録曲に合わせた3バージョンと、Kit verという数年前から出てきたデジタル携帯のアルバム4バージョンを制作しました。
アルバム特典トレカ・ポスカ・シール
韓国アルバムは紙類コレクト系の特典物が豊富です。そこでトレカとポスカ、シールを制作しました。ポスカはブックレットと同じ様に、QRを読むことで推しの声を聞くことができます。ARトレカが出でき始めた韓国で、アナログとデジタルの融合はもっと流行すると思います。
その他特典・グッズ
韓国も日本と同じく、コロナ禍から家で音楽を聴くことに癒しを求めたりお金を使う人が増えています。なので、アナログ形態も制作しました。BTSやSHINeeは既にアナログ形態の販売も行っています。
韓国のペンライトはアイドルを象徴するペンライトを一つ制作します。そこで、CAF7を象徴する風車型のペンライトを制作しました。また、アルバム特典物が多い韓国ならではの特典としてクリアバッグを設定しました。3形態セット購入した人のみの限定品とします。このような大きな特典は今はまだ見られていませんが、セット販売の特典としてこれからは付加価値のつく大きなものも特典として付けるのではないかと考えました。クリアなもの好きの韓国ならではのクリアバッグです。中にはペンライトも入れることができます。
展示風景
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