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TORIMO

「ペットの防災」ー小鳥と飼い主の同伴避難のためのプロダクトー
鍋島香瑠
学科・領域
プロダクトデザイン学科
コース
プロダクトデザインコース
指導教員
池永隆
卒業年度
2021年度

日本では自然災害が年々増加しており、ペットを理由に命を落としてしまう人も少なくありません。
人間とペットの命を守るため、ペットと共に避難する同行避難が推奨されており、今後はペットと飼い主が避難所で一緒に生活する同伴避難の対応も進められると考えます。
そこで、災害が起きたとき小鳥と一緒に同伴避難するためのキャリーケージとバッグを制作しました。

展示の様子

キャリーケージは二重構造になっており、上下にスライドさせて大きいサイズ・小さいサイズに変えることができます。 移動時や避難所での滞在時、季節などによって使い分けることができます。
大きいサイズにすると風通しがよくなり、小さいサイズにすると保温性・防音性の効果があります。

底の部分は丸ごと取り外すことができ、敷き紙の交換や餌水の交換が簡単に行えます。
糞きり網は内側についたままになるため、掃除中に小鳥が逃げる心配はありません。

キャリーケージの底部分 キャリーケージ 餌入れ

止まり木は二面あり、夏の暑い日には冷たい金属面、冬の寒い日には木の面というように回転させて使い分けることができます。

止まり木 金属面 止まり木 木面

扉はスライド扉になっており、ぱかっと開くタイプの扉と比べ平面しか開かないため、小鳥の脱走を防ぎやすい形になっています。

上下のプラスチック部分は3Dプリンターで型を作り、真空成形でプラスチック板を加工し制作しています。

線材部分には真鍮線を使用しています。
まず長い真鍮線を曲げ、ろう付けで接着して枠を制作し、それに短い真鍮線を銅線で結び付け固定します。
そして結んだ部分をはんだ付けで接着し、白く塗装しています。

真鍮線の枠 銅線で結んだ部分 はんだ付け

キャリーケージを小さくした状態で、小鳥用の防災用品が入るバッグと共にキャリーバッグに入れて持ち運ぶことができます。
人間用の防災バッグがリュックであることを想定し、肩から下げられるタイプで制作しました。
素材にはスポンジやアルミシートを使用し、防音・保温効果が期待でき、ケージを大きくした状態でも入れることができます。

小鳥の防災用品用バッグには餌水、タオル、温度計など小鳥の避難所でのお世話に必要な物を収納できます。