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絵画の物質、物質の絵画。

諏佐あかり
学科・領域
美術・工芸学科
コース
表現デザインコース
指導教員
遠藤 良太郎
卒業年度
2022年度

私は卒業制作で、ダダイズムの痕跡を辿りながら絵画をイリュージョンとして読むことを通して行為の集積としての作品を物質と行為そのものとして掲示する。

ダダイズムとは、第一次世界大戦中に活動が開始された芸術運動のことである。

これを岡崎乾二郎の「抽象の力:近代芸術の解析」の中では「何かを何かが代表することへの反対」と説明していた。(そこには自分が自分を代表することも含まれている)

そして例えばそこで紹介されているゾフィー・トイベル=アルプの「線の運動」は彼女がダンサーであるが故に、それそのものがノーテーション(楽譜)のような役割を持っている。

私の場合も、このように絵の中で再表現することなく点を打つという運動や行為の集積そのものを作品とした。また絵画が異世界への窓として機能し、イリュージョンをおこすとされていたことへの平面性や物質性についても考え、ダダイズム的な絵画と虚構についても研究した。

卒業制作では、このような近代から現代の変遷を踏まえ、絵を描く、あるいは点を打つ行為そのものを具体的な物質として掲示している。