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連続する服と建築

宮尾日菜
学科・領域
建築・環境デザイン学科
コース
建築・インテリアコース
指導教員
佐藤 淳哉
卒業年度
2022年度

 

 

服と建築は、どちらも人の周りに存在し、人を覆っている。

そのような意味では、服をどんどん大きくしていくと建築になるという認識もできる。

しかし、両者には大きな違いがある。

それは、人と服、人と建築の間に、「空間」が存在するか否かである。

ここでいう「空間」とは、単なる隙間ではない。

人の外側に存在するモノの要素を伝える、伝達としての役割を持つものである。

例えば、人は、建築の中に入った時、何らかの影響を受ける。

目で見て、素敵だと感じたり、音が響いて「静かにしないと」と緊張感を覚えたり…。

人が服に入った時、人と服は一体化する。

体の一部のように服を認識し、服を自分の外側のように感じる。

建築と人、服と人、それぞれ人の受ける影響の違いを考えてみると、

服からは直に影響を与えられているのに対し、

建築からは少し離れて−何らかの仲介要素を介して影響を受けているように思われた。

ここではそれを「空間」と呼ぶことにする。

人と空間の関係性について考える中で、「空間」を含まない服と、

「空間」を含む建築の立場が入れ替わる。すなわち、

−「空間」を含む服と空間を含まない建築として存在する−

ことができれば、人と空間の関係にも変化が起きるのではないかと考えた。

そこから、服と建築の連続

−「空間」を含んだり含まなかったり、ある一部では服で、またある一部では建築として存在するような−

へと考えを発展させた。