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一福 (One Lucky)

自身の一服に関する体験をキネティックアートとして表現する研究
阿部福之介
学科・領域
視覚デザイン学科
コース
表現デザインコース
指導教員
真壁 友
卒業年度
2022年度

一服するという事は自分にとってということはどいうことか。

日頃自分自身が『一服』という“固定概念”にどれだけ縛られているか気づく瞬間があった。
我々にとってものづくりとは、嗜好(思考)とはなんだろう?この発想は既製品からできたのではなく“これはやってはいけない”とう固定概念がないことがこのアウトプットにつながっていて、そこが重要と感じられた。
世の中にないサービスや製品を生み出す立場にいる人達も、プロジェクトが進むと気づかぬうちに既存の事物にとらわれてしまっていることはよくあることだ。特にデザインという問題解決をする思考が出来上がると、なかなかそこから出ることが難しくなる。 だが嗜好品を用いて、“既製品”(レディメイド)を組み合わせブリコラージュしていくことは、設計以上のおもしろさ、おかしさに気づける作り方なのだと感じた。そして今回の表現はものづくりを行う自分自身や、他の作家に対してアンチテーゼであり、問題定義であると感じた。 また“物“に依存し、その物の習慣とし、思想にも影響してくる。 近代社会で生活する、我々の滑稽で馬鹿馬鹿しく、無駄で豊かな一面ということを感じた。 ものづくりは無駄だからこそ熱くなる。一服も体に悪いのに無駄な行為だからこそ、こだわってしまうのだろう。“固定概念”から解放され、自身が想像以上の福を感じとれた時、本当の意味での一服となるだろうと制作後に感じた。

タイトルは自身の名前にもある“福”をとって「一福」と名づけた。

百害あって一福あり。福はHappyよりもLuckyな感覚。