住宅と居住の関係からみた空き家問題の再解釈
ー イギリスの住宅チェーン構造を巻き込む仮想的検討 ー
学科・領域
建築・環境デザイン学科
コース
建築・インテリアコース
指導教員
佐藤 淳哉
卒業年度
2025年度
空き家問題を「住宅と居住の関係性」から捉え直す論文研究
日本では空き家が増加していますが、本研究はその原因を個別の問題に還元するのではなく、住宅と居住の関係性そのものに着目して空き家問題を捉え直すことを目的としています。
研究の出発点は、2023年のイギリス留学で知った住宅の使われ方です。イギリスでは、住宅は住み替えや改修を前提に社会の中で引き継がれ、居住者の移動に応じて流通する「住宅ストック」として認識されています。特に、複数の住み替えが連鎖する「チェーン構造」は、住宅を循環させる仕組みとして機能しています。
一方、日本の住宅は所有と居住が強く結びついており、居住者がいなくなった住宅は社会との関係を失いやすい状況にあります。本研究では、空き家とは単に人が住んでいない住宅ではなく、循環の連鎖から外れてしまった住宅であると捉えました。
この視点から、「固定資産税の撤廃と転換」「家継制度の再開」「全住民のアドレスホッパー化社会における住宅の再定義」という3つのケーススタディ(仮想的検討)を行い、住宅と居住の結びつきの関係性から住宅循環のあり方を検討しました。
その結果、空き家は住宅循環の輪に乗せるべき「ストック」として捉え直す【意識の転換】が不可欠であることに辿り着きました。
今後は「住宅を建てること」以上に、建てられた住宅がどのように使われ、引き継がれ、社会の中で生き続けるのかを問い続けながら、住宅設計と向き合っていきます。
空き家の現状 チェーン構造について スタディ1 スタディ2 スタディ3 空き家の再解釈 まとめ