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いただきます ごちそうさま

食肉の消費背景における生と死
濱田 渓奈
学科・領域
視覚デザイン学科
コース
伝達デザインコース
指導教員
真壁 友
卒業年度
2020年度

※この作品では、鶏を屠殺し、捌くまでの映像がそのままの形で映像となっています。
ご自身の体調やメンタルヘルスを考慮した上で、ご鑑賞いただきますことをお願い致します。 



わたしは鶏肉が好きです。
美味しくて健康に良い最高の食材だからです。
お肉のたんぱく質には必須アミノ酸が含まれていて、骨や筋肉や血液を作りホルモンのバランスを整える効果があります。
焼き鳥は砂肝が一番好きです。


わたしは文鳥を飼っています。
文鳥の名前は、餅健太郎。
真っ白で、小さくてふわふわとしていて、触るとほんのりとあたたかいです。
小さな目でいつもこちらを見つめてくるので、名前を呼ぶと、ピ、と返してくれます。
とてもかわいいです。

でも、食べようとは思いません。

鶏と文鳥。どちらも認知的、感情的、行動的に対等であるのに、生命としての行き着く先が違う事から、次第に”肉を食べること”に対して疑問を持つようになりました。 牛や豚も含めた屠殺の現状、ブロイラーの実態、劣悪な環境下での飼育の事、私たちの食べているお肉たちが食卓に並ぶまでに、どのような道を辿っているのかを調べました。
そして、インターネットには書いていない事実を確かめるために、ある農場に行きました。


2020年10月21日 茨城県石岡市 暮らしの実験室やさと農場へ鶏の屠殺体験に行きました。
暮らしの実験室やさと農場は、有機農法と畜産を組み合わせた有畜複合の農法を採用しています。
動物を育てて肉や卵などをいただき、動物の糞や部屋の敷き藁などを積み上げて発酵させた堆肥を、野菜を育てる肥料として使用しています。
動物は生産機械では無く、私たちに命と暮らしの豊かさを与えてくれる存在であり、その暮らしを自らの手で作り出すことを大切にしている農場です。

12分の映像の中で、農場で撮影した鶏の屠殺から解体までをありのままに、そして私の両親が経営する居酒屋「寿司と炉端の濱家」での調理風景を日常での食肉の消費として対比しました。

あくまで事実を伝える映像であり、カーニズム、ヴィーガニズムを推奨した思想は含まれていません。