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育-はぐくみ-

鍛金技法による工芸品を育てる暮らしの提案・制作研究
高橋美月
学科・領域
美術・工芸学科
コース
クラフトデザインコース
指導教員
藪内 公美
卒業年度
2021年度

私の経験から工芸品は長く使えるだけでなく、使うほどに色に深みが増し、その様子が楽しいと思えるモノだと考えている。工芸品を使い始めてから“育てている”という感覚が私の中に芽生え、この感覚を多くの方に味わってみて欲しいという思いから私が工芸品という種を与える役目となり「暮らしの中で工芸品を育てる楽しさ」を提案することを研究の目的とする。
日常的に工芸品と関わる機会が少ない人からすると、美術館に飾られた“触れずに観るだけのもの”というような敷居が高い空間にあることを思い浮かべ、難しく感じる方もいるのではないだろうか。私は難しい事は考えず、手にとった方には「使ってみたい、育ててみたい」と思ってほしい。そこで“育てる”から連想された植物をモチーフにデザインを展開した。今回の作品においては、大好きな地元で共に育ってきた植物たちを記念となる一作品目に残そうと考えた。

モチーフとする植物は、地元秋田の県花・ふきのとう、私が育ってきた美郷町を代表とする木の赤松・花のラベンダー、実家の庭に咲く梅の花、高校時代を過ごしてきた角館町に咲く桜など思い入れのあるものとした。凹凸のできるエッチング技法を用いて作品に植物の模様をデザインすることで使っていくうちに段々と植物の色が変化し、工芸品を使うのが初めての方でも育つ過程を見て楽しめるよう、制作研究を行った。

制作技法:絞り、エッチング技法、ろう付け
素  材:銅、真鍮、錫、秋田杉
作品サイズ:フライパンW440mm×D275mm×H120mm/鍋W350mm×D240mm×H180mm
          ミルクパンW244mm×D128mm×H80mm/コーヒーポットW270mm×D130mm×H140mm
          やかんW272mm×D150mm×H165mm(サイズは注ぎ口・持ち手・つまみを含む)