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モラトリアム人間

カタルシスを感じる表現の追求
桑原彩乃
学科・領域
視覚デザイン学科
コース
伝達デザインコース
指導教員
阿部 充夫
卒業年度
2021年度

『卒業研究』『就職活動』『人間関係』、私にとって2021年は息苦しい日々が続いた年だった。

一生懸命な人、生き甲斐があって楽しそうな人をみて私にはそんな生き方が出来ないと羨ましかった。嫉妬、嫌悪感、そんなふうに思ってしまう自分が嫌いだった。モラトリアム人間という心理学用語をタイトルにしたのは、「人間社会にとけ込めない息苦しい日が続いて、年齢は大人なのに精神的にはまだ思春期のように発展途中で大人社会に同化できずにいる《私》」という意味を込めた。

昔から好きだった絵を、見ることも描くことも嫌になってしまった。
嫌だったのに、絵を描くことが自分の幸せだった。
絵を描くことだけは嫌いになれなかった。

息苦しさから救ってくれたのは、昔から大好きだった【絵の世界】だった。

実際に絵を描いていて、真っ白なキャンバスを殴るように絵の具で汚していくことに快感を覚えた。自分に嫌気が刺した時などは足で踏みつけながら描いたりもした。絵を描くことで少しでも自分が救われて欲しいと願いながらカタチに落とし込んだ。

私の絵を見て、私と似たような苦しさを感じてほしい。