なぜあなたは、ヒトラーの友人だったのですか?
記録文書を基にした漫画表現の研究
学科・領域
視覚デザイン学科
コース
表現デザインコース
指導教員
長瀬 公彦
卒業年度
2021年度
かつてヒトラーの友人であった人物がいたとしたら、誰しもが思う言葉ではないでしょうか。
アウグスト・クビツェクという実在の人物は、青年時代のアドルフ・ヒトラーと数年間交友関係にありました。そして第二次世界大戦後、ヒトラーとの思い出を記した回想録を1953年に出版します。
本作はこの回想録の日本語訳版である、船戸満之, 宗宮 好和,桜井より子, 宍戸 節太郎 訳『アドルフ・ヒトラー 我が青春の友』(2004)を参考にして制作しました。
Index
本作は全四幕から構成されています
はじめに
なぜあなたは、ヒトラーの友人だったのですか?
序幕
そう、君はもう椅子張り職人でいてはいけないよ、グストル
中幕
君がいなかったら、ここまでたどりつけなかったよ
終幕
クビツェク、あなたは昔のままだ どこで会ってもすぐあなただとわかりますよ
とりわけ私がアドルフ・ヒトラーに大きな感謝の念を感じていたのは、私が特別な音楽的な才能を持っているから作業場よりも音楽学校に向いていると私の父を説得するのに彼が成功したことだった。
クビツェク『アドルフ・ヒトラー 我が青春の友』p.20 より
この問いに対してクビツェクは一つの解を示しています。そもそもなぜ、このような問いが生まれるのでしょうか。ヒトラーだから。あのような暴君に友達などいるはずない、という考えが自身の根底にあったことに気が付きます。