MENU

新釈プラントハンター

場所への愛着と植物を用いた写真表現の探究
鈴木桃子
コース
表現デザインコース
指導教員
天野 誠
卒業年度
2022年度

私は植物の姿を撮影する。
その対象はわざわざ立ち止まるほどでもない、見慣れたものである傾向がある。

暮らしに植物を取り入れる文化が身近では無かった時代、17世紀イギリスではプラントハンターと呼ばれる人達が世界中を飛び回りまだ見ぬ珍しい花や木々を追い求めていた­­。

『今日、あらゆるものは写真になるために存在する』
—スーザン・ソンタグ

私はあったこと、あってほしいこと、 今いる場所への愛着や理想郷を写真の中に見てきた。

プラントハンターがかつて景色に目を光らせ植物を追っていた姿は身の回りにときめきを探す私のファインダーに重なった。

人と植物は共存している。
人の手で寄せ植えられ管理されていた道端の草木はいつしか私たちの手を離れ、じっと黙って人間を見つめている。
そんな気がしてならない。