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一側性難聴者の商業施設における環境改善に関する研究

中村彩乃
学科・領域
建築・環境デザイン学科
コース
建築・インテリアコース
指導教員
羽原 康成
卒業年度
2022年度

一側性難聴とは、片方の耳は正常でもう片方の耳が聞こえにくい、あるいは全く聞こえないという聴覚障害のことです。先天性の一側性難聴は1000人に0.9〜1.7人の割合で発症し、後天性も合わせて日本には約30万人の一側性難聴者がいると推測されています。一側性難聴者は患耳側での聴取・騒音下での聴取・音源定位を不得意とし、その多くはコミュニケーション時に発生するものですが、「見えない障害」として軽視されてきました。本研究では、「見えない障害」を抱える全ての人が自分の障害を実感する機会を減らし、快適に空間を楽しむことの出来る環境改善の方策を探ることを目的とします。

日本在住の一側性難聴者135名にアンケート調査を実施、また7名の一側性難聴者にヒアリング調査に協力してもらい、一側性難聴者が商業施設で感じている障壁を明らかにしました。

聞こえ方や商業施設で感じる障壁に対する意識の違いによって7つのグループにわけ、それぞれの特性を把握しました。

また、学内の健聴者85名にも同様のアンケートを実施し、一側性難聴者特有の障壁を明らかにしました。

一側性難聴者がレストランにおいて、長時間座席が固定されることで聞こえの障壁を感じやすいことが判明しました。レストランで一側性難聴者が抱える障壁要因と、それに対する対処の提案について、フローチャートを作成しました。

また、一側性難聴者は両耳が機能していないことで気配に気づきにくいことがわかり、視覚情報から補うことで気配に気づかせる提案をしました。

商業施設での音に関する意識調査から、一側性難聴者の生きづらさを明らかにすることができました。一方、音に関する障壁を感じている健聴者もいるように、一側性難聴者が抱える障壁が解消されることは健聴者にとっても生きやすい環境を創出することにつながります。本研究において、一側性難聴者に配慮した空間デザインのあり方を示すことができましたが、一側性難聴者の感じる障壁はコミュニケーションが円滑に取れないことによるものも多いです。一側性難聴の障壁に対する認知度が上がることを期待したいです。

卒展パネル:

卒業研究パネル1

卒業研究パネル2

卒業研究パネル3

卒業研究パネル4