Shadow and Tale
物語に登場するアイテムや生き物、それらを連想させるアイテムと、物語の劇中を映した影を組み合わせた作品です。1つの物語を題材にした写真作品を6枚制作し、それを1つのシリーズとします。全部で4シリーズです。
白雪姫なら毒林檎のやりとりを、灰かぶりであれば足にピッタリはまる靴を。
よく知られている場面、あまり知られていない場面を影の題材とし、全体的にぼやけている影とそれ以外の被写体によって、物語のワンシーンを表現しました。
~白雪姫シリーズ~
世界で広く知られる童話の1つで、グリム童話に収載されています。
己の美しさに誇りを持つ王妃は、世界一美しい白雪姫に嫉妬し、あの手この手を使って白雪姫を亡き者にしようと画策します。
刺客として差し向けられた狩人に逃がされ、白雪姫は森を抜け山を歩き、小人と生活を始めます。
最終的に白雪姫は毒林檎を口にして息絶えますが、王子の手によって息を吹き返します。
白雪姫と王子の結婚式、王妃は今までの報いとして、真っ赤に焼けた鉄の靴を履いて踊り続け、死に絶えました。
実は王妃が白雪姫を殺めるために売り付けたのはりんごだけではないんです。
~不思議の国のアリスシリーズ~
ルイス・キャロルが著した児童小説で、キャロルが知人の少女アリス・リデルに即興で聞かせた話をもとに制作されました。
幼いアリスは、二足歩行のうさぎを見かけ、好奇心のまま追いかけます。
体の大きさを変えるドリンクや扇子があったり、不思議な猫に導かれ、ハートの女王の裁判に巻き込まれます。そこで女王たちへ暴言を発し、トランプ兵が飛びかかってきます。
アリスが驚いて悲鳴を上げた次の瞬間、自分は寝ていたことに気づきます。
全てはアリスの夢だったのです。
~鏡の国のアリスシリーズ~
不思議の国のアリスの続編として著された児童小説で、不思議の国のアリスとは違い、出版を念頭に置かれて制作されました。
部屋の鏡を潜った先は、チェスの駒がいるチェス盤のような世界、アリスはこの世界でゲームに参加し、女王を目指します。
ゲームの途中、双子に出会い、眠り込んでいる赤の王を見せられ、アリスは赤の王の夢の中の人物に過ぎないのだと伝えられます。
最終的に女王になったアリス、その祝賀会ではみんな好き勝手に振る舞います。アリスはその様子に怒り狂い、赤の女王を引っ掴んで揺さぶります。すると、赤の女王はアリスの飼い猫に姿が変わります。
アリスは夢を見ていたのだと気づきます。ですがその夢は、アリスの夢だったのでしょうか、赤の王の夢だったのでしょうか。
~灰かぶりシリーズ~
灰かぶりは、ペロー童話の1つで、グリム童話のシンデレラをイメージしていただけレバと思います。作品を鑑賞していく上で注意していただきたいのは、グリム童話のシンデレラではなく、ペロー童話の灰かぶりを題材にしたことです。
母を亡くした灰かぶりは、父の再婚相手である継母とその娘たちにいじめられて過ごします。
ある日、白で三日間舞踏会が開かれます。
灰かぶりは手に入れたドレスで舞踏会のに参加し、王子は彼女に一目惚れをします。灰かぶりは靴を落とし、王子はその靴の持ち主を探し出し、妃にしようとします。
義姉達も靴を履こうとしましたが小さくて入りません。親指や踵を切って無理やり嵌めようとしましたが、細工がバレ、最終的にはのどか。
二人の結婚では、灰かぶりに取り入ろうとした義姉達は灰かぶりと仲の良い鳥に目を目玉をくり抜かれ、腹黒い義母と義姉は暗闇で生きていくことになったのです。
~展示風景~
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