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AgriBOX

都市農村交流を気軽にするモビリティの研究
石原 良倫
学科・領域
プロダクトデザイン学科
コース
プロダクトデザインコース
指導教員
川和 聡
卒業年度
2023年度

私は、都市農村交流を気軽にすることをテーマに研究・制作を行った。

【動機】

長岡造形大学×比礼地区(長岡市栃尾地域)の地域共創演習「かかしプロジェクト」に参加した際に、現地の方々と交流していく中で、限界集落と言われている地域でも非常に活気があることに興味を持ったことが動機である。そこで、今回は「限界集落」と言われる「農村」にフォーカスし、都市農村交流をテーマに研究を行った。

 

【背景】

実際に、全国には2019年時点で「限界集落」は2万地域以上もあるとされている(総務省調べ)。高齢化がすすみ、農家の方々も現役を退かれ、農家同士の交流も減少している。しかし、そんな限界集落と言われる地域にこそそれぞれの歴史・伝統・特有の暮らし方があり、その土地の美しい文化を守ってきた人がいる。私は、そんな農村の活気を最後まで守り抜き、都市農村交流によって村外の人に「知ってもらう」ことで、地域の誇りへとつなげたい。

 

【ターゲット】

先述の比礼地区でのインタビュー調査では、大学生との交流を機に、地区内の方々が団結し、交流が増え、帰属意識がより強いものとなったことが分かった。なくなっていた祭事が復活したりなど、地区全体の活気がさらに増したことが伺えた。

このように、「見てもらう」「食べてもらう」などの交流によって農村の方々が「充実感」と「誇り」を感じられることをニーズと設定した。

一方で、都市の若者の中にはアウトドアや自然のアクティビティに興味を持つ人が増加しているという現状がある。そこで、アウトドアやキャンプを行う若者ファミリーと農村の方々をマッチングし、モビリティによって「住民発」で気軽に都市農村交流を行えるようにしたい。そのようにして村の活気や楽しみを維持継続していきたい。

 

【コンセプト】

「農村のワクワク創る道具箱。」

都市農村交流を気軽にするために、交流に使う道具やしかけが詰められた「道具箱」のようなクルマを目指し、「農業」を表すAgriと「箱」を表すBOXを組み合わせてAgriBOXとした。

【機能】

シートを自由に組み合わせたり、ボディのサイドパネルを自由に展開したりすることで、キッチンカーになったり、マルシェになったり、みんなで囲んで食事をする食卓になったりと、幅広く使っていただけるようなしかけを詰め込んだ。

【制作】

制作では、1/2サイズのモデルと、1/12サイズのシーンジオラマを制作した。