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Glassphic

銀紙の折り目を用いた質感表現のグラフィック研究
髙橋香穂
学科・領域
視覚デザイン学科
コース
伝達デザインコース
指導教員
吉川 賢一郎
卒業年度
2022年度

切子グラスやクリスタル製品などの様々なガラス工芸品を鑑賞した時に、精巧に作り込まれたガラスから生まれる強い輝きと陰影が、折り紙のように折られた銀紙の輝きに近しいものではないかと感じた。

私は『 銀紙の折り目 』に着目して、折り目から生み出される幾何学的な美しさと多彩な陰影を持ち合わせた銀紙の質感を用いたグラフィックを新たに作ることにした。

様々な折り目を工芸品の様に再構築することで『 銀紙の新しい一面が生まれるのではないか 』と直感したからである。

折り目でしかなかった銀紙たちが想像によって組み合わさり、この世でたった一つしかないものができる面白さや、無限に広がる組み合わせの可能性を、この作品を通して感じていただきたい。

 

銀紙やアルミホイルで様々な種類の折り目をたくさん作り、折り目を使ってグラスやシャンデリアといったガラスに由縁のある物から、カトラリーや宝飾品などの実験的なものまでをグラフィックとして構成した。

 

♦タイトルの由来
グラフィックシリーズの総称としてつけたタイトルが『 Glassphic 』(グラスフィック)

銀紙の輝きがガラスのような輝きに見えたことから、英語のglass(ガラス)graphic(グラフィック)を組み合わせて『Glassphic』(グラスフィック)と造語した。飾り枠は紙の折り目を象徴している。

 

♦展示風景
銀色で煌めく美しい世界観を基調とするために、グラスやシャンデリアなどから「パーティー」を想起させるような構成にした。(全17枚)

(中央の展示台は実際に折った一部の銀紙とポストカードを設置した)

♦銀の輝き
出力のこだわりとして、銀紙の輝きを再現するために、印刷の紙ベースを銀紙にしオフセット印刷でスミのトリプルトーン(一回では刷らずに3段階に分けてモノクロの階調の表現を豊かにしてもらうこと)で、銀紙の細やかな陰影の質感を『 YPP 山田写真製版所 』に再現していただいた。

協力:YPP 株式会社山田写真製版所
プリンティングディレクション:熊倉桂三