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ガラブ

繊維から金属への素材置換
池田 晴季
学科・領域
美術・工芸学科
コース
クラフトデザインコース
指導教員
長谷川 克義
卒業年度
2022年度

 この半年間は私にとって激動だった。それまで出不精だったのが外に遊びにいくようになったからだ。大学周辺のことも何も知らなかったのが、急に外の世界への好奇心に駆られて、県内県外問わず飛び回っていた。しかしほとんどが無計画。私は成り行き任せの旅が好きだ。時の流れに身を任せていると、そこで起こる出来事はすべて運命的で、感情が大きく揺れ動く。部屋で一人、生ぬるい泥を纏い、平穏に生きてきた自分が、改めて人間であることを実感できる刺激である。タイトルにある「ガラブ」は、架空の地名。今までに行ったことがあるか、もしくはこれから先行くであろう旅先だ。大地がせり上がり、星の中身が溢れようとしている。平穏を壊すこの正体不明のエネルギーがどんな作用をもたらすのか。破滅なのか、再生なのか。私が纏い続けてきた深い深い泥をかき分けて、視界を晴らして見てみたい景色である。

     編み物を原型に、薄さ、柔らかさを残しつつ、金属による編み目の再現を目指した。そしてアルミになった編み物は、元々は糸だということ。しかし、糸と金属 二つの素材を並べてみるとこうも違くて異質になるのが面白く、組み合わせて制作した。





      サイズ D340×W600×H2000 mm
      技法 精密鋳造、ミクストメディア
      素材 アルミニウム、刺繍糸、ミシン糸、布