繋ぐ
天井画が建築空間に与える影響についての機能と提案
学科・領域
建築・環境デザイン学科
コース
環境計画・保存コース
指導教員
菅原 浩
卒業年度
2022年度
本研究では、西洋画、日本画をはじめとした歴史的な変遷についての調査を行い、それに伴う技法や建築空間へ与える機能についての研究を行った。
まず、西洋についての天井画はキリスト教の初期から天井画が描かれており、西洋画特有の遠近感のある天井画が多く見られることが分かった。またトロンプルイユの技法によるクアドラトゥーラは建築物から繋がる遠近感を描くことで、遠近法理論と建築空間の表現に直接結びついていることが考えられる。
日本においての天井画は、主に寺院の装飾の為に描かれており、八方睨みの技法を用いる事で建築空間的と人間の感覚に支配感を与え空間と天井装飾と感覚を統一できる空間が出来上がる事が分かった。またアジアでは旧石器時代より以前に天井へ絵が描かれていることが分かっており、太古から天井へ絵を描くことは何かしらの意味が見出されていると考えられる。
以上により天井画は建築空間の表現に深く結びついていることが考えられ、また天井画には社会的、政治的な空間をつくる視覚的な機能を果たすことが考えられた。これらの機能を果たす天井画には建築空間として重要な位置づけを担い、且、宗教的、歴史的、文化的にも後世へ繋いでいくべきである。