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「作品」と「製品」の狭間

伝統工芸品と工業製品の各要素が使用頻度に与える影響についての研究
田上 韻
学科・領域
修士課程 イノベーションデザイン領域
指導教員
森本 康平
卒業年度
2022年度
現在、我々が目にするモノの中には、芸術や⼯芸などの「作品」と、道具や⽇⽤品とされる「製品」が存在する。これらは本来の意図通りに活用される場合が多いが、時として制作者の意図と利用者の認識が異なる場合がある。例えば、ガラス切子は大切に棚にしまわれる一方で、ファイヤーキング社のグラスは普段使いの製品として高い頻度で使用されるという事例がある。両者は同じコップとしての役⽬を果たす製品であるにも関わらず、前者は作品、後者は製品として捉えられているといえる。本研究は、このようなオブジェクトに対するユーザーおよび鑑賞者の認識の違いに着想を得たものであり、特に制作物が作品寄り、もしくは製品寄りのモノとしてユーザーに認識される際の要因に焦点を当てたものである。また、人のモノに対する認識を評価する基準として使用頻度に着目し、モノの要素が使用頻度や使用の質に与える影響を、アンケートを通して客観的に調査した。