あかねちゃん
まつはしあかねという友人を描きました。
支持体に像を描き定着させる方法として、シルクスクリーンでの印刷を選びました。印刷物を近くで見たときのズレや乱れと、遠くから離れて見たとき全く別の形が見えること、像を結ぶ構造が面白いと感じたことが制作のきっかけにあるためです。
人と人が交流する上で同じ言葉を使用しますが、言葉の見かけが同じでもつかう人間によってその意味は全く同じものではないから、なるべくすれ違わないように気をつけなければいけなかったり、でもそこが自分ではない他人と話すことの面白さだったりするな、と思います。
スイス近代の言語学者であるソシュールは、文字や音声をシニフィアン(意味しているもの)、それからイメージされるものをシニフィエ(意味されているもの)、この2つを合わせてシーニュ(記号)とし、言葉と物の結びつきに必然性はなく、私たちが世界を言語で区切ることで1つ1つの要素が存在でき、私たちはその言語世界の範囲内で思考していると説いたそうです。
私はなんでも物を描くことは物を自分なりに理解し捉えることだと思っていて、それが好きなのですが、そういった認識と物自体の結びつきを画面に表現したら、普通にデッサンしたり着色したりするのとはまた違った人物を捉える描写になるのではないかと考えました。
サイズ:W1120mm×H1455mm 1点
素材:キャンバス
技法:シルクスクリーン
■構造イメージ
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完成イメージへ
■重ねた版
①パターン元の版
▼パターン元の版(W450mm×H600mm)と支持体(W1120mm×H1455mm)の大きさを比較した関係はこのようになっています。
②重ねた色
左上〜右下の順に重なるよう、支持体(画布)を紙でマスキングしながら、①パターン元の版で刷り敷き詰めていきました。
■接近図
■会場展示