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あのスイッチ

非日常への胸騒ぎを鑑賞者に与える表現の研究
五十嵐汐琉
壁面に現れた大きな照明のスイッチ
学科・領域
視覚デザイン学科
コース
表現デザインコース
指導教員
御法川 哲郎
卒業年度
2021年度

日々の忙しさのためか、情報も物語も明解で簡潔な物が好まれる時代。
短い時間でパッと分かることはデザインに求められることでもあります。

その一方で「分からない」ものは避けられがちです。
難解であったり伝えたいことと知りたいことのすれ違いで起こる「分からない」は時に不利益や混乱を生み、危険な可能性が高い「分からない」は恐怖の対象になります。
しかし本当に未知の「分からない」は、すなわち新たなものとの出会いであり、不安と同時に期待をも抱かせ、人を強く引き寄せる力があります。
これは「分かる」が求められる時代に、非日常への胸騒ぎを感じるような楽しい「分からない」をデザインする研究です。

しかしデザインと言うからには見る人にとって全く何も分からない作品では一方的で寂しくも思います。
したがってこの研究では「分かる」部分と「分からない」部分のバランスに気を配りました。
私なりの楽しい「分からない」を皆様にもお楽しみ頂けたら幸いです。

最後に、楽しい「分からない」はスマホやテレビの中へ探しに行かなくても、案外身近な所で出会えるかも知れません。是非顔を上げて探してみてください。

ビルの屋上に現れたスイッチ