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天養寺観音堂復原模型製作

江戸期の姿へ
手塚晴登
学科・領域
建築・環境デザイン学科
コース
環境計画・保存コース
指導教員
平山 育男
卒業年度
2022年度

私の地元にはうっそうとした林の中にポツンと、600年前から建っているお堂がある。


 私の地元、山形県飯豊町に所在する天養寺観音堂(中村観音)は昔から飯豊町中(なか)地域の信仰の対象とされてきた。



 本堂は昭和22(1947)年の火事によって焼失し、当時の様子を知ることのできる史料はほとんどない。そのなかで、江戸時代の天養寺を描いた貴重な絵馬が残っている。嘉永4(1851)年に奉納された絵馬である。ここには今はもうない本堂や賑わいを見せていた当時の参拝の様子が細かく描かれている。


 絵馬の左上には観音堂も描かれているが、現在と異なる姿である。向拝の唐破風、外壁の意匠、朱色の塗装など今とは全く違う姿だったことがわかる。

研究を始めた最中、2022年8月3日、新潟、山形に降った大雨によって観音堂は無惨な姿となってしまった。裏山が崩れて観音堂を押し出し、向拝や外壁に大きな被害を与えた。

 県指定文化財の観音堂は町主導で全解体、修理されることになった。2022年11月初旬から約1ヶ月かけて解体され、現在は町のコミュニティセンターに保管されている。令和5年度に裏山を整備した上で、令和6〜8年度にかけて元の場所に立て直す予定である。

解体作業の様子 

残された絵馬を元に、屋根と小屋組、外壁、向拝の3点を復原した。


模型写真

2022・12・11にサンデーステーションにて放送された。