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Things for the lost

失ったものたちへの献花
小山紀子
学科・領域
視覚デザイン学科
コース
表現デザインコース
指導教員
山田 博行
卒業年度
2023年度

たった1枚だけ、写真を抱えて眠りにつけるならばひとは何を選ぶだろうか


祖父母の家に眠る大量の写真の山の中からクリスマスにリビングを飾りつける家族の写真が出てきた
それは私が生まれる前に撮られた写真であったが
どこか懐かしくてとても愛おしい、私の記憶のような気がした
私はこの1枚の写真を見つけたとき同時に、この世にある無数の「1枚」を想った

きっと、誰もがこの「1枚の写真」を持っているのだろう
そしてそれは
著名な作家が撮った素晴らしい景色の写真でも、美しい芸能人のポートレートでもなく
「私」にしか価値のないとても個人的な写真なのだと思う

なぜならそこには、それぞれの記憶が焼き付いていて
その記憶こそが私たちを救ってくれるのだから

私はこれからも写真を撮ることをやめない
いつか自分や愛する人にとっての「1枚」となる為に、記憶と束を持ち続ける
たとえそれが失ったものや人、もう手の届かない何かであったとしても
私は思い出す痛みごと、抱えていたいと思う

思い出すことよりも忘れていくことに気が付く方がずっと寂しいはずだから