MENU

24h

絵巻の手法を用いた時間経過のイラストレーション表現の研究
五十嵐里奈
学科・領域
視覚デザイン学科
コース
表現デザインコース
指導教員
御法川 哲郎
卒業年度
2021年度

静止画でありながら、映像作品のような視覚効果をもつ絵巻物。その効果を発揮している絵巻物独自の表現手法を引用し、「大学生の起床から就寝までの1日の行動」を横長の画面にイラストレーションで表現しました。



 

絵巻物の表現手法の引用

❶ 連続式構図
絵巻物の構図法には「段落式」と「連続式」があり、今回の作品では
時間的に発展する事件を描くのに適していた「連続式構図」を参考に画面構図を決めました。


❷ 吹抜屋台

室内の情景を内部の様子が分かるように、建物の屋根を描かずに表現する手法。


❸ 異時同図法
同じ画面に同一人物が複数回登場し、その間の時間推移が示された表現手法。

人物のフォルム

異時同図法の誇張表現として、隣り合う同一人物は輪郭を歪める・結合するなど漫画表現的なフォルムで制作しました。
絵巻物におけるデフォルメ表現よりもさらにオーバーに表現することで動作に繋がりを感じ、より活発な印象が得られました。


❹ すやり霞
画面水平方向に描写される雲。様々な演出の役割を果たす表現手法。

作品における引用部分
● シーンの演出
1日における忙しさのピーク、衝撃的な状況の演出として描写。 


● フェードイン/フェードアウト
  場面や場所の移り変わりを表現。移動シーンや寝起きの場面で使用。
 

● バックグラウンド要素

音楽や動画を流し続けている時間、その内容を表す要素として霞の手法を独自の解釈で展開。

 

 



作品サイズ:550mm × 4500mm