混成系としての大阪城公園をひもとく
利用者の動向分析を通して
学科・領域
建築・環境デザイン学科
コース
環境計画・保存コース
指導教員
北 雄介
卒業年度
2021年度
本研究は、「都市公園でありながら混成系としての要素を併せ持つ代表的な事例として大阪城公園を取り上げ、利用者の動向をひもとくこと」を目的としています。
大阪城公園という混成系をひもとくにあたり、利用目的や頻度等の表面的な要素ももちろん必要ですが、それだけで平易に読み解くことは不可能です。「何故その人の利用頻度は低いのか」や「どのような経緯からその目的意識を抱いたのか」といった根本的な原因・起点を把握することこそが、大阪城公園という混成系の成り立ちに結び付いているからです。
利用者のバックグラウンドに踏み込む研究を行うため、調査方法はアンケートを用いた聞き込み調査としました。
特に複数人での利用者同士の「関係性」や、公園を訪れる前後の行動までを把握する「行動スケジュール」、公園に来ることを「何日前から予定していたか」のように、利用者のバックグラウンドに踏み込む項目を複数取り入れています。
分析にあたり混成系の解像度を上げるため、目的と動機・空間・時間の3つの視点に分け、全ての回答者の動向をデータセットとして各グループごとに可視化しました。
アンケートにご協力頂いた全62名、34グループのデータセットです。
今後は「類似の混成系空間のデザインへの活用」を見据えています。まず本研究の導入である「混成系」への着目は、幅広いフィールドに応用できると考えます。さらに本研究で用いた3つの視点による分析手法により、混成系の解像度が高いものとなり、空間デザインへの新たなアプローチ方法になり得るのではないでしょうか。