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地にうけたもう

羽黒修験道における地霊と風土
鈴木雅史
学科・領域
建築・環境デザイン学科
コース
建築・インテリアコース
指導教員
佐藤 淳哉
卒業年度
2023年度

現代人にとって自然環境との距離感は遠いものになった。
かつて人々が風土と共に生活し、様々なものに神秘性を感じていた感覚とはどのようなものだったのだろうか。
その答えを求め、山形県の羽黒修験道の聖地、出羽三山に向かった。

出羽三山の大地から壮大なスケールの自然の力を感じるとともに、一本の木や石から個の自然の霊性を感じる。

自然を個でとらえ、地霊的なものを感じ取るとき、自然を微視的に見ている。
自然を全体で捉え、風景として感じるときは自然を巨視的に見ている。
自然にはこの二通りの感じ方があると出羽三山を巡って感じた。

今回の卒業設計では、現代を生きる我々が
自然を微視的、巨視的の両面で感じ取り、立ち止まる場所として出羽三山各所に掛け小屋を計画していく。

掛け小屋とは文字通り腰を掛ける小屋であり、かつて出羽三山内のいたるところに存在していた。
名物を振舞う為に、清水が湧く場所に建てられ、修験者、大衆、自然の交差点となる空間であった。現在の出羽三山内に新たに掛け小屋を計画することでメルクマールとなり、巡るという体験をより強く印象付けるものとなる。
計画の中で対象物との関係性を軸線を用いて設計していくことで大地と地霊のスケール感覚をより感じるものとする。

 

各掛け小屋