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Flatte

患者と医師とかぞくをフラットにするカルテ
鈴木音羽
学科・領域
視覚デザイン学科
コース
表現デザインコース
指導教員
徳久 達彦
卒業年度
2021年度

Flatteとは

病院での説明・意思決定の場で使うカード型説明ツールです。医師と患者、患者家族の、コミュニケーションを取り持つ役割を果たします。医師は、カードを広げたり、書き込んだりしながら説明を行い、患者さんは提示されたカードから好ましいものを選んでいきます。
今回は、さまざまある病気の中でも、特に情報量が多く理解が難しい乳がんにフォーカスしています。

新潟市民病院、県立がん研究センター病院の医師3名に監修いただき、実用化を目指し制作しました。


▼プレゼン資料▼
徳久研_183068_鈴木音羽_展示レジュメ_compressed

 

ミッション

「どんな人でも、理解・説明ができるコニュニケーションを設計する」

 

キーワード

インフォームドコミュニケーション
(患者が医師とのやりとりの中で、病気や治療への理解を深めていくこと。)

 

調査・分析

178人を対象にアンケートを実施。
インフォームドコミュニケーションの知名度は、11%。インフォームドコンセントと比較し、48%も低い結果に。

 

未だ、社会に浸透していない現状があります。

 

社会的背景

乳がん患者は、現在92,300人いると言われており、世界では240万人を超えると言われています。
9人に1人が乳がんになる時代なのです。

また、一般的にがんは、治療後転移なく5年が経過することで完治とされていますが、乳がんはその転移のしやすさから、転移せずに10年が経過しないと完治とは言えません。

罹患率と死亡率を調べてみると、女性の罹患率のランキングでは1位だったにもかかわらず、死亡率では5位。
なりやすいが、死に直結するものではないことがわかります。

そうした、患者の多さ・治療期間の長さ・死亡率の低さから、研究が活発に行われ、多くの治療方法・薬剤が開発されてきました。

 

問題

●選択肢が多い分、情報は複雑に。
●病院は多忙で、それぞれの患者に合わせて説明資料を作り変えることができない。

 

痛みの種

●専門用語の多さ
●質問しにくい雰囲気
●yesと言ってしまう問いかけ
自分の気持ちを言語化できない  など

病院でのコミュニケーションには、さまざまな痛みの種がありました。

 

Flatteがつくる3つのフラット

認識の差をフラットに。
情報を小分けに、優しい言い回しとイラストで、きちんと理解できるようになります。

医師と患者の関係をフラットに
「患者が選ぶ」を意識できる工程で、質問や意見を言いやすい空間を作ります。

医師の苦手をうめて、説明の質をフラットに。
絵の苦手な先生も安心な、書き込むためのガイドを用意。また、患者が知りたい情報を項目に反映させています。

 

Flatteがつくる未来

一方通行だったコミュニケーションに、相互性を持たせる仕組みが「カード」という形式です。
これまで、「医師のおすすめ」として示されていた情報をカード化することで、情報がきちんと選択肢として提示されるようになります。それにより、患者が主体的に治療方針の決定に参加できるようになるのです。


大事なあなたが
“生きる”をあきらめないように。